第146回:鶴瓶さんが早稲田へ

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 こんにちは。12月に入った途端に気温がぐっと下がりましたね。そして12月1日になりエントリー開始と同時に、周りは就活モードにさらに拍車をかけています。

 さて、そんな忙しくなりそうな12月の記念すべき1日目。私は早稲田大学内で催された寄席へ行きました。私史上2度目の落語です。寄席、というと若者で席が埋まっているお笑い会場というよりは、もう少し年配の方向けの伝統的な笑いの場というイメージでしょうか。早稲田での寄席は落語研究会主催の学生のためのイベントで、観客のほとんどが早稲田生でした。無料かつ笑福亭鶴瓶師匠が来るということでいつになく人で埋まっている大隈講堂。鶴瓶師匠以外にも、若手といわれる3人の落語家が来てくださいました。これで無料ってすごいですよね。この日をずっと心待ちにしていて、友人と先行チケットをゲットしていたのでいい席で聞けました!

 しかし噺家という職業はすごいですね。自分の口一つで商売をやっているわけですから、日常のちょっとした一コマもおもしろ可笑しく表現しています。いや、表現というよりは再現という感じでした。リアリティーがあるのでいっそう面白さが増します。落語の演目に入る前のちょっとした話で一気に引きつけられ、気づけばすっと落語が始まっている状態。さらに今回は人生初の都々逸も楽しむことができました!都々逸って名前だけ知っていて実際にはどんなものか知らなかったのですが、駄洒落なんですね。三味線の音に合わせて、江戸時代の情景と人物を口頭で描いていると思っていると意外なところで笑いがやってきます。

 逆に言うと、噺家は商売道具の口が動かなくなってしまうことこそが一番の恐怖です。立川談志師匠も声が出なくなるのだけは嫌だ、と声帯摘出手術を拒みました。五代目三遊亭円楽師匠も一つの演目を話しきることができず涙を流していました。自分がそれだけ生涯をかけて捧げることのできるものがあるって素敵ですね。落ち込んだときや元気になりたい時に、またぜひ寄席に行きたいと思います。

更新:2011-12-03
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾