第150回:年賀

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 明けましておめでとうございます。みなさんはどんなお正月を過ごしましたか。寝正月の人もいれば、おせちにお餅にと食に忙しかった人もいるかもしれませんね。

 私は毎年必ず元旦にしていることがあります。それは一年の抱負を書き留めること。一年の計は元旦にあり、と言いますからね。他にも早稲田大学に入学してからですが、駅伝の応援も恒例行事に加わりました。皆さんもなんとなく正月と言ったらこれをしないとしまらない、というものがあると思います。

 そんな決まった正月の過ごし方も世の移り変わりとともに変わっています。正月の風物詩である年賀状。今年は前年比7.6%減だったそうです。年賀状を書く人が減ってしまったのですね。かくいう私も今年は年賀状を全く書いていません。要因としては大震災による自粛が大きいでしょう。しかし年々減りつつある要因としては、SNSやEメールによる新年の挨拶が年賀状に取って代わってしまっていることでしょうか。Twitter, facebookのSNSを使えば多くの人に一度に伝えることができます。また携帯でのメールを使用すれば、瞬時に年始の挨拶ができます。

 年賀状が当たり前の人からするとSNSはどことなく「味がない」「温かみがない」と反論がありそうですが、SNSやメールを使うしかない場合があります。例えば相手の住所を知らない時。個人情報の扱いが厳しくなってから、中学校や高校は名簿を学生や親に配らなくなりました。送りたくても、相手に住所を聞かない限り送れません。でも、メールアドレスは知っているからそっちで送ればいいか、とわざわざ住所を聞く必要がない気がしてしまいます。なんだか、もう年賀状を送る(のは当然のことだ)から住所を教えてください、という共通認識が薄れているように思われます。これって大きな変化だと思いませんか。一度失ってしまった社会通念ってなかなか元には戻りません。年賀状送るのって当たり前だよね、の認識は薄れていく一方ということになります。ITの時代によってもたらされた変化が、すでに社会に深く根をはっているなと思いました。さらにこの先も新たな社会通念ができあがり、従来のものは消えていくでしょう。

 万物流転、いつの時代も同じようなものはあれど、全く姿形を変えないものはありません。2012年もまた然り。国際社会、IT社会になってからというもの、物事の変わるスピードが速いように感じます。今年も一年の間に多くのことが変わるでしょう。変わりゆく物事に置いていかれることなく、先を見通していく力を今年は身につけたいと思います。

 新年早々長くなってしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願いします。

更新:2012-01-07
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾