第151回:なぜなぜ5回と顔文字
こんにちは。1月になり乾燥と寒さがより一層増しましたね。インフルエンザが流行っているそうなので、うがい・手荒いをこころがけましょう。
私は最近、企業の説明会に行くことが多くなってきました。こういった説明会に行くと、だいたい最後に質疑応答の時間があります。この質疑応答で「なぜその情報が知りたいんだろう?」と思う質問から「そういう視点からも見れるのか」と目から鱗が落ちる質問まであります。よい質問を聞くといつも、どうやったら自分にもああいう考え方ができるのだろうと思っていました。思考をどうしたら深めることができるのか。これが私の最近の悩みだったのですが、あるトヨタ自動車に関する授業でそのヒントとなる情報を得ました。トヨタでは業務改善のための思考法として「なぜなぜ5回」を実施しています。現在抱えている問題に対して「なぜ」を繰り返して思考を深めていきます。私は今まで「なぜ○○なんだろう」は1-2回ほどしか繰り返していなかったので、5回も繰り返すことに驚きました。本当は、5回というのはそれくらい何度も問い続けろ、という意味がこめられているので必ず5回と定められているわけではないそうです。しかし5回が抱えている問題の根本的な要因を見つけ出す目安ということで実践する価値がありそうです。
他にも池上彰さんの『伝える力』からもヒントがありました。池上さんはこの著書の中で、顔文字、絵文字、(笑)などは「逃げ」であり深い思考を妨げる、と述べています。池上さんは顔文字を使うとなんとなく言いたいことが伝わった気がしてしまうと言っています。言葉のみで喜怒哀楽を伝えようとすると一体自分は何がそんなに悲しかったのか、どんな悲しみを抱いているのかということも考えなくてはいけません。(;_;)や(泣)で表現できることの裏にはこんなにも考える余地があったと気づかされました。
『伝える力』はビジネスマンを対象とした本だったので、ビジネス文書を書く際の心がけとしてこう書かれていました。ですから、友人とのメールやSNSでの顔文字などは別に「逃げ」ではありません。感情表現の他に、親しみやすさの意味合いもありますし、顔文字がない文章は逆にビジネスライクに感じてしまいます。あくまでビジネスの面において「逃げ」だそうです。
就職活動では、人の話を聞く機会、そして深い思考が求められる機会が増えるので、これをチャンスに少しでも物事を深く見つめていくことができるようになりたいと思います。
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾