第152回:曖昧な言葉
こんにちは。今週末は雨もしくは雪で乾燥注意報は解除されましたね。でも風邪やインフルエンザが流行っているそうなので気をつけて過ごしてください。
就職活動をしていると様々なキーワードに出会います。「コミュニケーション能力」「自己実現」「社風」など。ただ私はこの言葉を聞くたびに違和感を覚えます。というのも、定義が人によって異なる非常に曖昧な言葉である気がするのです。就活生向けにコミュニケーション能力を鍛えよう、というセミナーが各地で開催されているのですが、コミュニケーション能力と一口にいっても人の話を聞く能力、情報をうまく伝える能力、人が話しやすい雰囲気をつくる能力などいくらでも細分化できます。私は人の話を聞くのが好きですが、自分がいざ話そうとすると要領よくまとめて話すことができません。また社風といっても会社における先輩後輩の関係だったり、会社に存在する暗黙の了解だったりいろいろと情報を得ないことにはその会社の風土はわかりません。
なんとなくみんなが使っている単語って意外に相手によって受け取っている意味が異なるのではないでしょうか。○○ちゃんってコミュニケーション能力があるよね、と言っても話す能力が長けているのか、聞く能力が長けているのか。日本には「なんとなく皆が使っている言葉だし、細かく言わなくてもわかってるよね」という風土があります。私もその文化に長く慣れ親しんでいるので、特に悪いとも思いません。でも時々それできちんと自分の言っていることが相手に伝わっているのか、私は相手の言っていることをきちんと理解しているのか、困惑するときがあります。就職活動をする上で曖昧な言葉が氾濫しているのでなおさら戸惑っています。きちんと自分の中で定義づけて言葉を使わなければいけないし、また相手と話す時にもコミュニケーション能力が長けているよね、ではなく○○ちゃんは要点をうまくまとめて話す能力に長けているよね、というように明確にする必要性を最近感じています。人とコミュニケーションをとるって難しいですね。
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾