第153回:未来予想図
こんにちは。今週は東京でも雪が降りましたね。翌日、大学の一角に雪だるまが作られていて可愛らしかったです。
大学ではもうテストやレポートに追われ、最後の授業を受けている状態です。そんな中、大隈講堂での公開授業がおこなわれました。「ドラえもんとニッポン未来予想図」というその授業はその年にあった話題を取り上げる、全学部・全学年向けの授業です。授業登録時にはあまりの人気で選考落ちしてしまう人が多かったこの授業。内容はタイトル通り、日本のこれから100年がどうなるか、考えようというものです。私はこの授業を履修していなかったのですが、公開授業になると聞いて友人と行ってきました。
最後の授業は『課長 島耕作』(現在は社長だそうです)の作者である弘兼憲史さんが講演をしてくださいました。政治、経済、高齢化社会、そして環境といった観点から100年後はこうなっているのではないか、と弘兼さんが描いた予想図を語ってくださいました。例えば、印象的だったのは世界のパワーバランスが崩れる。いずれはアジアが経済の中心になっていくだろうということ。ユーロ安にドル安の現状から、中国のこれからの経済成長、そして永久凍土であるシベリアが温暖化によりロシアが自国の資源を有効活用できるようになるとアジア圏のほうに世界の中心がシフトしてくるのではないか、という話でした。またさらなる高齢化社会となる日本では、介護ロボットの開発が急務であること、そしてゆくゆくはアメリカや中国が高齢化社会になった頃に技術提供できるようにしておくことの重要性も語ってくださいました。話を聞いていて感じたのは、100年の長さです。今では「えっ?無理じゃないの?」というようなことでも、可能にすることができる時間です。今から100年前は、みんながインターネットを使って情報を共有し発信していく時代になるなんて想像もできないでしょう。でも実際にはそんな世界がきた。あちこちにひずみがあり歪みがあるけれども、それでもさらなる豊かさと快適さが生み出された。100年後の人間は今わたしたちのように洋服を着ていないかもしれないし、インターネットよりももっとハイテクな想像もつかないデバイスを使いこなしているかもしれない。
私の今年の目標は「先を見る目を養うこと」でした。先見の明があればこれから起こる突発的な物事に対処できるようになると思ったからです。しかし100年後の日本を考えたことはありませんでしたし、これからの日本がどこに向かうべきか、短期的なことしか考えられません。まだ私には100年後を思い描くことは難しいです。今年は将来的に100年先をみていくことができるために必要な知識と見識を収集していき、10年や20年先を予測できるようになりたいと思います。
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾