第174回:変わる街並
こんにちは。梅雨と言いつつも、東京は晴れた日が続いています。でも油断すると、傘を忘れたりするので油断禁物ですね。
さて、今回は授業で感じたことについて書きたいと思います。現在、アーバンプランニングや建築に関する授業を取っています。江戸時代の町並みや建物について学ぶということだったので、わくわくしていました。しかし、授業で一番面白かったのは、実は明治初期の話でした。江戸時代が終わり、新たな西洋からの文化と文明がどんどん入って来た時代。その変化が町並みに大きく現れています。例えば、銀座の煉瓦街。江戸時代のような風吹けば砂ぼこりに困らされる道ではなく、煉瓦の道にガス灯という全く違う街並みに生まれ変わった銀座に当時の人々は困惑していたようです。今まで鎖国だなんだ、と言っていたところに、いきなり新しい異質の文化が入ってきたら困惑するのも当然ですよね。異なる価値観を受け入れるのは、現代の日本人でも大変です。明治初期に生きた人は、200年ものあいだ違う風を入れてこなかった江戸から変わる様子についていけず、銀座の煉瓦街は不人気により規模を縮小せざるを得なかったそうです。
この煉瓦街は江戸から明治への変化を示しているだけでなく、日本を訪れた新たな外国人へのショーケースとしての意図もあったようです。生まれ変わった証、近代化へと歩み始めた証としての都市計画です。このコンセプト「ショーケースとしての東京」は面白いですよね。現在の観光立国を目指している日本にも通じるコンセプトのような気がします。秋葉原のような電気街、渋谷の巨大なデジタルサイネージなど新たな技術、時代の変化が街に表れています。普段の街並の中にも、気づけばショーケースとしてのトウキョウが隠れているかもしれません。
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾