第178回:団地だって建築物

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こんにちは。先日からとうとう夏休みに突入しました。東京や各地で夏日や真夏日が続いていますね。熱中症に気をつけて過ごしたいところです。
「あつい」と言えば、ロンドンのオリンピックでも日本人選手がメダルを取っている姿に胸を熱くさせられます。早稲田からもオリンピックへ出場している選手がいます。以前、大熊銅像近くを歩いていたら、テレビ局や学生で人だかりができていました。何事かと思ったら、総長(遠目だったので、もしかしたら違うかもしれません)やチアリーディング部、応援団などが集まって選手激励が行われています。大勢の人で肝心の選手が見えなかったのですが、心の中でしっかり「頑張ってきてください!」と応援しました。きっと届いていると思います。……きっと。たぶん。
さて、今回は先学期にとった授業を紹介したいと思います。建築とデザインに関する授業で、主に東京の街、都市計画、そして建築を江戸から追って学びました。中でも、面白いなと感じたのはスカイツリーなどの新たなランドマークより団地や集合住宅といった普段私たちが使っている建物についてです。団地や集合住宅は住宅街によくある光景です。特筆すべきこともなく、人が大勢住んでいる場所、という認識でした。しかし、海外から見てみると日本特有の建物のようです。他人と同じ建物内に(物理的な)意味で近く住む、というのはさながら江戸時代の長屋のようですよね。江戸では長屋の者同士でお互い支え合って生きていたようですから、精神的にも距離が近かったのでしょう。海外はどうだったかと思えば、バンクーバーでは寮などの建物以外は一軒家がほとんどでした。様々な色の壁があってカラフルな印象です。日本のように大きな建物に人がいっぱい、という印象はありません。
スカイツリーのような象徴的な建物以外にも、団地のデザインを考え、設計、建造した人がいるんだよなぁと新鮮な驚きでした。考えてみれば、全ての建築物には設計者がいるのですが、建築学というとなんとなく歴史的建造物か、新たな試みや特筆すべき何かがこめられている建物を研究しているのだと思い込んでいました。もちろん、授業では団地以外にもそのようなランドマークや渋谷の街並みも扱っていましたが、それだけじゃないんだと自分の視野の狭さを思い知らされました。普段歩いている場所の歴史や意味を知るというのは意外に面白かったので、少し調べてみると普段の通学や散歩が楽しくなるかもしれませんね。

更新:2012-08-06
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾