第181回:イギリス人いわく……

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 こんにちは。夏休みが始まってから早数週間。あっという間に8月も終わりの頃になってしまいました。海外の大学でも現在は夏休みで、9月から始まる学校の前に休みを謳歌しています。そんな海外の大学に在籍している友人が日本に遊びに来てくれました。2週間ほど日本にいるようで、東京や東京郊外で出かけていました。
 そんな彼女を原宿と渋谷に連れていった時のこと(場所がべたですね)。イギリス人のその女の子と彼氏は物珍しそうに多くの渋谷の写真を撮っていました。何がそんなに面白いのか聞いたところ、渋谷駅前の多くのデジタルサイネージ、動く広告、そして人混みが写真で見ていた以上に衝撃、とのことでした。特に渋谷のスクランブル交差点は、よく人同士がぶつからずに足早に通りすぎることができるね……と。私と会う前日も渋谷にいたようで、昨日は近くのカフェでひたすら交差点を上から眺めていたよ、とも。近くのカフェにいる他の外国人の方ももしかすると、日本人ってせかせかと人をさけながら歩いてすごいなーと思っているのかもしれません。
 さらに明治神宮に行くと、蝉の音を聞いてこれはなんだ?とも聞かれました。日本に夏の間ずーっと鳴いている虫だよ、と説明すると、へぇ、という反応。そういえば、海外には蝉の鳴き声を聞いたことがない人が多く、そのため日本のアニメにある蝉の音は輸出する際に消されると聞いたことがあります。海外の人が日本のアニメを見ていて、いきなり蝉の音がすると「テレビが壊れた!ジージー音がする!」となってしまうので問題となるようです。蝉うるさいよね、と私が言うと、そのイギリスの友人は聞き慣れない音がすると海外にいる感じがするから別に嫌いじゃないと言っていました。うーん、日本らしさを醸し出す音だ、と思えば以前よりも不愉快にならないかも……?
 道々歩きながら話をしていると、宗教や仕事の話、それに卒論の話など多くのことを教えてくれました。日本に来てくれる海外観光客は3.11以降大幅に減っていましたが、最近は東京都内でよく見かけるようになってきた気がします。彼女も東京に来る時に、放射能や地震は特に不安と思うことはなかった、と3.11直後ととらえ方が変わっていることがわかりました。この調子でどんどん訪日観光客が増えて、日本の魅力を知ってくれると嬉しいですね。

更新:2012-08-25
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾