第191回:同じ世界の人としか

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 こんにちは。各地で学園祭が始まっていますね。早稲田大学もいよいよ今週末です。今年も例年のように有名な歌手やタレントが多く出演するようです。また、各サークルや部活のパフォーマンスも盛りだくさんなので、非常に楽しみですね。
 さて、今回は私が最近受けたカルチャーショックについてです。先日、『ラテに感謝!』という本を読みました。世界ナンバーワンの広告会社を60歳過ぎにして突如解雇になった男性が、成り行きでスターバックスで働くことになり、新たな生活を築きあげていくストーリーです。作者は一流企業で重要ポジションに就いていただけでなく、もともと裕福な家の生まれです。そのため、各所に有名人との出会いや会話がはさまれています。そんなもと住んでいた上流階級の世界から、一転して、今度はコーヒーを提供する側にまわることになります。本の中で著者は上流階級の世界とそうでない世界を明確にわけています。コーヒーを提供される側とする側。今までお金に困ることはなく、仕事に打ちこんで、裕福な暮らしをしていた人の生活がいきなり180度変わるのですから、プライドも傷つけられ、悔しい思いがあったでしょう。ただ、それを考慮したうえでも、著者が世界をはっきりと区別していることに衝撃を受けました。彼は仮に今まで、現在の同僚であるスターバックスで働く若い黒人たちと友人や同僚関係になることはなかっただろうと言っています。自分が今まで住んでいた世界の中にいる人としか出会わないし、友人関係を持たないということです。

更新:2012-11-02
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾