横浜市立大学 入試課インタビュー | 総合型選抜の個別指導塾 洋々

横浜市立大学


大学インタビュー:横浜市立大学AO入試の特徴と評価の観点について

横浜市立大学入試課インタビュー

横浜市立大学
国際総合科学部准教授アドミッション委員長 内山英穂氏
アドミッションズセンター課長 川村礼子氏
国際総合科学部3年生 Aさん、2年生 Bさん

 

横浜市立大学の「AO入試制度」について


――横浜市立大学で、AO入試を導入した背景をお聞かせください。

内山准教授:ふたつ理由があります。ひとつは、公募制推薦入試を指定校推薦に切り替えたためです。横浜市内およびその近隣の市の指定校以外の高校からは推薦入試で出願できなくなってしまいました。この問題を解決するために、AO入試を導入したことが理由のひとつです。

もうひとつは、多様な学生を受け入れたいという要望からです。従来から行われてきた学力のみで受験生を選抜する方式に加え、学力のほかにプレゼンテーションや面接などで発揮される個人個人の能力を加味し、総合的な観点から受験生を選抜するAO入試を試行的に導入しました。

川村課長:横浜市立大学国際総合科学部のAO入試では社会人も対象としています。社会人入試という募集枠を設け、社会人を受け入れている大学もありますが、横浜市立大学では社会人も含めてAO入試の対象としております。


――AO入試の募集定員枠は、AO入試導入時期と比べて増減はありますか。また、今後、募集定員枠を変更する予定はありますか。

川村課長:現時点で、募集定員枠を増やす、減らすなどの具体的な話はありません。今年度完成年度を迎える国際総合科学部卒業生のAO入学者の進路選択の方向性も見据え、この入試制度の有効性を多面的に捉え、検討していきたいと考えています。


――一般入試とAO入試のそれぞれで入学した学生の入学後の学力の調査は行っていますか。

川村課長:学年ごとに入試区分別の成績、単位の取得状況を追跡調査しています。その結果を教員へフィードバックし、入試制度の検討材料としています。これまでの調査によると、AO入試で入学した生徒が特に成績で劣るという傾向は見られていません。

AO入試といってもまったく学力を選抜時に考慮しないということではなく、高等学校の調査書、語学に関する外部試験の成績表等を出願時に添付していただき、それを一定の割合で得点化し、学力面の成績を合否の判定基準のひとつにしています。

 

「AO入試」の出願から面接審査まで


――AO入試で横浜市立大学へ入学されたAさん、Bさんにお聞きします。入学時の選抜方式でAO入試を選んだのはなぜですか。また、どんな準備をされましたか。

学部3年生 Aさん:学力だけではなく、他の観点も含めて総合的に志願者を選抜するというところが自分に合っていると思ったからです。中学生のころ、発展途上国の生活をとりあげた『世界がもし100人の村だったら』という番組を見て、自分も将来、何か活動したい、行動を起こしたいという気持ちになりました。

いろいろ活動をしていましたが、一人で活動するよりは、多くの人と協力して行動する必要を感じていました。志の高い人が多く集まる大学に自分も身を置き、活動の場を広げたいと考えました。

横浜市立大学のAO入試という仕組みの中で学力以外の面で自分を評価していただき、入学を認められたことはありがたいことだと思っています。AO入試に感謝しています。

どんな準備をしたかについてですが、はじめに、自分の夢が何なのかをよく考えました。次に、自分の行ってきた活動の自己評価を行いました。割合としては、自分のこれまでのこと6割、今後のことが4割になりました。

最初は、今後のことが2割から3割になってしまいましたが、偏らず、できるだけバランスよくアピールできるよう、今後のことをよく考えました。 授業内容を調査し、自分なりの入学後の時間割も作成し、出願書類を作成しました。出願書類の作成に一ヶ月くらい、要しました。

学部2年生 Bさん:私は高3の7月くらいまで、医療系に進むことを考えていました。8月の高大連携授業をきっかけに、物理学に興味がわき、横浜市立大学へのAO入試での出願を決めました。

特に今は、カーボンナノチューブに興味があります。高校生のころ、陸上部に入っていましたので、当初は、自分の活動実績として、陸上部での活動を中心に書類に記載しようと思いました。しかし、カーボンナノチューブに興味を持ってからは、陸上部での活動ではなくそのときもっとも興味をもっていたことを中心にしました。

プレゼンテーションの概要に、自分がカーボンナノチューブに興味を持った経緯、参加した講演会など興味を持ってからの活動実績、今後、どのような活動をしていきたいかを書きました。


――15分のプレゼンはどのような形式で行われるのですか。

学部3年生 Aさん:私は、模造紙2枚にプレゼンテーションの発表資料を書き、それを説明しました。

学部2年生 Bさん:私も模造紙2枚と半分にプレゼンテーションの発表資料を書き、それを説明しました。1枚目には、カーボンナノチューブを使用した太陽電池のメリット、デメリットを書きました。2枚目には、実際の太陽電池の仕組みを書きました。残りには、入学した後、どんな授業をとり、どういう学習をしたいのかを書き説明をしました。

内山准教授:まったく模造紙を用意せず、口頭での説明のみで15分間、プレゼンテーションを行う人もいます。入試方式として認めているのは、模造紙にプレゼンテーションの内容を記載しそれを説明するか、模造紙を使用せず口頭での発表とするかのどちらかで、資料を配布することはできません。

――面接試験はどのような形式で行われますか。また、選抜時にどういった点で評価されていますか。

内山准教授:ひとりの受験者の方に対して、複数の教員が面接官として臨みます。最初の半分は、プレゼンテーション、後半は受験者と面接官が自由にディスカッションを行います。

それぞれ、プレゼンテーション、ディスカッションの点数をつけ、受験者を選抜しています。プレゼンテーションの資料がよくできているか、プレゼンテーションの発表内容と資料の内容が適切か、実際に取り組んできたことを理路整然と発表できているか、取り組んできたことに対して自分はどう思っているかどうか、プレゼンテーション後の自由なディスカッションの内容を教員の視点で評価しています。

面接前に面接を行う教員が事前に話し合ったり調整したりすることはなく、面接に臨んだ教員の判断を重視しています。


――面接の結果が重視されるのですか。

内山准教授:学系によって状況が異なりますので、一概には言い切れません。書類審査で募集定員のおよそ2倍まで志願者が絞られます。学系によっては書類審査を通過することが厳しい学系もあります。


――どのような観点で、出願書類の中のプレゼンテーションの概要を見ていますか。

内山准教授:プレゼンテーション概要1.では、自分がこれまでにどんな活動をしてきたか、自分はその活動をどのように評価しているか、を見ています。活動の内容はもちろんですが、その活動で得たもの、または、その活動を自分はどのように評価しているかを見ています。

プレゼンテーション概要2.では、大学に入学後、どんなことをしたいか、という点で見ています。自分のこれまでの活動で何を得て、今後の活動にどのように活かしていきたいかを考えてプレゼンテーション概要1.と概要2.を記載してください。

プレゼンテーション概要1.と概要2.の内容にまったくつながりがないと読んでいる教員は違和感を覚えるかもしれません。


――理学系と文学系では、書類審査時、面接時に評価基準が異なることはありますか。

内山准教授:書類審査時の評価基準は一定です。学外の外国語の試験の成績の扱い、高校時代の評定平均値の重みなど、学系による違いはありません。

面接についても評価基準が学系ごとに違いはありません。理学系と文学系で異なる点があるとすれば、理学系の学系の面接は理学系の教員が行いますので、ディスカッションの内容も、科学的なアプローチかどうか、理論的であるかなどになるといったところです。


――高校時代に理学系の勉強をまったくしてこなかった学生が理学系を希望することは可能ですか。

内山准教授:十分、可能だと思います。クラブ活動などを一生懸命行ってきて、大学では理学を学びたいなどでも結構です。どれだけ高校時代にがんばってきたか、今後、どんなことにがんばっていきたいかを教員にアピールできればいいと思います。

 

横浜市立大学への入学後

川村課長:Aさん、さきほど、学力では他の人に勝てないと入学前に考えていたといわれましたが、入学後、大学の授業を理解することが難しく感じたり、学力が他の人に比べ、劣っていると感じたりしたことはありますか。

学部3年生 Aさん:大学の授業が難しいと感じることもありますが、目的意識を持って大学の授業に取り組むように努力しています。私は、学校外での活動を通じて、どんな勉強をした方がよいのか、どんな能力を身につけたほうがよいのかを考えるようになりました。

確かに授業を理解したりするのは遅いかもしれませんが、その授業の目的を考え、学ぶようにしています。

学部2年生 Bさん:難しく、理解できないこともありましたが、先生にその場ですぐに質問し、答えていただいたので、ついていけなくなることはありませんでした。

高校時代、物理を選択していなかったのですが、物理学に興味を持ち、AO入試の準備を行うことで、自分が何を学びたいかもはっきりとわかり、大学で学ぶことになりました。

物理を学びたいとはっきり自分で認識しているので、わからないことも調べたり質問したりして学んでいこうという意欲が自然にわいてきます。


――横浜市立大学内でAO入試という入試制度をどのように評価されていますか。

川村課長:横浜市立大学がAO入試を導入して4年が経ったところですが、教員サイドからはさまざまな意見をいただいております。学生生活アンケートからは、この入試制度で入学した学生の満足度は高く、充実した学生生活が送れていることと受け止めています。

アドミッションズセンターが主催する行事については積極的に協力をしてくれます。例えば在学生参加によるオープンキャンパスでは参加者からのアンケートで、「在学生の対応がとても良い」と好評をいただいたり、また、高校単位での大学見学の際は、その高校出身者である在学生が積極的に案内・説明役を買って出てくれます。

社会に出てからの活躍も大いに期待したいところです。

 

横浜市立大学を受験しようとする受験生の方へ


――横浜市立大学のオープンキャンパスでは、どんなことができるのですか。

川村課長:オープンキャンパスでは、AO入試で入学した学生たちによる入試相談会を実施しています。在学生による合格体験談は大変参考になるようで、相談コーナーはいつも賑わっています。今年はAさんが主催した「異文化カフェ」もオープンし、大盛況でしたね。他に教職員との相談コーナーもあります。


――横浜市立大学の他の大学と異なる点をお聞かせください。

学部2年生 Aさん:オープンキャンパスで横浜市立大学に来たときに、学校の雰囲気の良さ、大学で学んでいる学生の方が感じよかったことが横浜市立大学を志望した最初のきっかけです。5人から10人くらいの少人数制の授業があることも知り、先生が生徒の顔を覚えてくれるところもよいと思いました。

学部3年生 Aさん:以前の私は、興味のある分野は、調べたり、学んだりするのですが、反対に、それ以外の分野についてはあまり知らないというようになっていました。

ですから、自分の知らないことを知っていたり、自分とは異なる分野を目指したりしている人と知り合い、お互い刺激しあうことができればいいと思っていましたので、広くさまざまな人の集まる横浜市立大学を志望しました。

横浜という都市にも、国際化に向けた取り組みやNGO団体の活性化などで、まだまだ必要なことがたくさんあると思っています。そういう横浜で学び、活動できるので、横浜市立大学に入学できてよかったと思っています。

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