一般入試を見据えつつ創成入試にチャレンジして見事合格
デッサンの技術を気にされる方が多いのですが、どちらかというと建築に対する自分の意見の方が大事だと思います
神奈川県立 横浜緑が丘高校 早稲田大学 創造理工学部 創成入試 合格 |
*S.H.さんは洋々出身ではありませんが、洋々の創成入試担当エキスパートの高橋順一先生の指導を週一回受けられていました。
清水 信朗(洋々代表):
まずは創成入試を受けた理由を教えていただけますか?
S.H.さん:
創成入試はもともとあまり合格できると思っていなかったので、一般入試で頑張るつもりでした。早稲田の建築に行きたいという思いがずっとあり、ウェブサイトで創成入試のことを知り、駄目もとで受けてみようと思いました。親がギタリストでもともと芸術に興味を持っていたことと理数系が得意であることから建築を選びました。実は小学校の時から大工になりたいという思いがあったのですが、設計するのは大工でないということがわかりそこからは建築家になろうと思っていました。
清水:
志願者自己報告書はどのように準備されましたか?
S.H.さん:
一般入試メインで進めていたので、予備校等には特に通わず、あまり時間をかけずに書きました。半ば受験勉強の息抜きのような形でした。志望動機は先ほど述べたようなことを書きました。建築の雑誌が好きで「入ったら何をしたいか」ということについては雑誌に書いてあることを参考にして書きました。
清水:
筆記試験について特別な準備をされましたか?
S.H.さん:
過去問をやってみたくらいで他に特別な準備はしていないです。ただ、一般入試向けに高3の5月から高橋先生のデッサンの指導を週1回受けていました。高橋先生のところに行く前にデッサンを習ったことは一度もなく、一から教わるような感じでした。5か月毎週行くと何とかなります。デッサン力を見られるというよりは発想力、つまり、何を描いたかということの方が問われるようです。表現したいことが十分伝わる絵を描ければ大丈夫だと思います。絵の説明の文章も書く必要がありますが、過去問をみて多少の練習をした以外は、特に何もしませんでした。建築全般に対して自分なりの意見を持つようにすることが大事だと思います。そのときは書くだけなのですが、二次試験では先生に質問されるのでやはり自分の意見が大事だと思います。
150分という時間はちょうどよかったです。ある程度時間を測って練習することも必要かもしれません。僕は、骨格を描いて、文章を書いて、最後に仕上げをするというようにして、どこで終わってもいいようにしました。
清水:
自己PR資料はどのように準備されましたか?
S.H.さん:
ポートフォリオは一次試験が受かってから1週間か2週間で作りました。でも他の合格した人に聞くと夏休みくらいから作り始めたという方が多かったです。内容はそのときの自分の建築観を表わした小論文、デッサン、自分の部屋用に作った棚の写真、三渓園の塔を写生したもの、屏風に茶色の細いペンで四季を表わす4つの建築物を描いたもの、がメインでした。屏風は高橋先生にアドバイスいただきました。日本建築が好きだったのですべて和風な感じにしました。一貫性がある方がよいと思います。
清水:
面接(グループ30分、個人10分、プレゼン)の対策はどのように行いましたか?
S.H.さん:
面接の準備は高橋先生と学校の先生に何回かお願いしました。高橋先生のところでは1対1の面接の練習をしました。学校の先生にはマナーを中心に見てもらいました。学校の先生は建築については詳しくなかったので、建築のことについては高橋先生に見てもらいました。本番では予想していたことと違うことも結構聞かれました。
清水:
高橋先生にはどのような指導を受けましたか?
S.H.さん:
高橋先生のところでは夏ごろまでデッサンの基礎的なことを毎週やりました。週一回朝から晩まで行いました。一般入試をメインで考えていたのでデッサンについては高橋先生のところに行って描くだけで、教室以外の時間にデッサンの勉強をすることはほとんどありませんでした。自己PR資料については日本建築をやりたいという自分の気持ちをもとに、作品の発想等いろいろアドバイスを頂きました。一次合格後の一週間については勉強をすることもなくポートフォリオ作成に集中しました。小論文については自分で大体作って最後にチェックして頂きました。面接の練習については2、3日前ぐらいから1日2回くらい見て頂きました。プレゼンで話す内容についてもいろいろとアドバイスを頂きました。
清水:
それでは最後にこれから創成入試を受ける受験生へのアドバイスをお願いします。
S.H.さん:
デッサンの技術を気にされる方が多いですが、どちらかというと建築に対する自分の意見の方が大事だと思います。普段から建築の雑誌に書いてあることに対する自分なりの意見を考えてみるといったことが役に立つと思います。