基礎的知識を問う設問
制限時間90分で30~50問ほどが出題される。「ポルトガル語圏に関する知識」と出題されるテーマはほぼ同じである。
たとえば都市の名称や河川の名称を聞かれたり、著名な人物を聞かれたり、歴史的な出来事を聞かれたりする。設問形式は、選択問題であることも、記述式であることもある。その内容は、相当に対象地域に興味を持って知識の幅を広げておかないと、対処できないような程度のものとなっている。
また、制限時間に対して問題数が多いため、時間配分や問題を解くスピードには、気を付けなければならない。一目見てすぐに分かる設問から埋めていくのが得策であろう。
ロシア語学科小論文
2018年までは数行程度のテーマのみ与えられる課題型小論文であったが、2019年からは文章読解型小論文になっている。課題型小論文で問われていたのは、基本的には「語学」「日本語」「ロシア語」についてであった。800字で日本語と(外国語の一つとしての)ロシア語について、それらを比較しつつ論じていく。例年ほぼ同じ課題内容であったため、「日本語」と「ロシア語」についての考察をあらかじめ固めておけば容易に解答を作成することが出来ていたのだ。
それが2019年からは、ロシア語とはあまり関係のない一般的な文章読解型の小論文が課されるようになってきている。題材は、2019年は「人工知能について」であり、2020年は「イエスマンについて」であった。
ロシア語学科合格レベル
自己推薦書とレポート課題、面接とともに判定される。ロシア語学科の受験者倍率は2016年が1.5倍、2017年が1.5倍、2018年1.4倍、2019年2.6倍、2020年2.1倍、2021年が1.3倍となっている。2019年については、たとえば「2018FIFAワールドカップ・ロシア大会の開催でロシアのメディア露出度が増えたため」等の理由が考えられる。語学は社会情勢の影響を受けやすいのである。そのようなイベントがなければ平均してロシア語学科の倍率は1.5倍前後といったところである。受験者倍率が1.5倍であれば「ロシアに関する基礎的知識」の暗記も(膨大な量ではあるが)苦にはならないことであるし、細かな暗記をしなければ合格点には達しないであろう。
対策
フランス語学科、ポルトガル語学科とも共通して言える「対策」は、「志望理由書の原型を作成する」ということである。そしてそれを「小論文の問題」に合わせて変形できるようにしておくこと。それぞれの語学科で学ぶ意味や意義を考える。それぞれの言語と「自己」との関係性などを探る。それらをどのような文脈の中でも語れるように準備することが、上智大学外国語学部の公募推薦「対策」としては欠かせないのだ。
それ以外の小論文対策としては、多少の「国際状況への興味」と多少の「小論文の解法に関する知識」があれば十分であろう。「小論文に知識は要らない」とよく言われるが、そうであっても要約に「自分なりの解釈」を書いてしまったり、グローバル化する社会の現状把握を誤ったまま意見論述を書いていては、高得点は狙えないのだ。そのような「基礎的部分」は確実に押さえておかなければならない。その上で、「小論文」以外で「平均点」を取れる自信がある受験生であれば、小論文は「問題文を客観的に読み、設問の要求に適切に応える」ということだけを意識していればよいであろう。
志望校合格に必要な力を効率よく身につけるとともに、小論文の「本質」を学んで、人生を謳歌するための強力な武器を手に入れていただければ幸いです。
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