上智大学の小論文:公募制推薦入試編
学部・学科別の対策
上智大学の小論文はすべて、各学部・各学科に対応した内容となっています。他の大学では出題されない問題が多く、一般的な「小論文対策」の効果が薄いこともあります。それは、上智大学を第一志望にして、特別にそこに行きたいと思い、その「対策」をしている人が有利になるように作られているのです。上智大学の各学部・各学科に対応した「小論文対策」がそこでは必要となってきます。
興味と知識
各学部・各学科に対応した小論文では、一般的な小論文よりも若干、「知識」と呼ばれるものの重要度も高まってきます。「自分の興味」や「目標」が志望学部・志望学科であれば、それについて日頃から調べておくのは当然でしょう。その「将来やりたいこと」を知りたいと思う気持ちが上智大学の小論文では求められているのです。
神学部神学科
新約聖書またはカトリック中央協議会による文章が主に問題文として使われている。聖書は必読。キリスト教に関する知識も必須。「カトリック」に特化した教義の意味や解釈方法が出題される。
小論文解説:上智大学神学部神学科(公募推薦)
文学部哲学科
「哲学的」な問題が出題される。哲学の「知識」よりも、哲学的な「思考力」と「表現力」が試されている。合計千数百字の論述に対して制限時間は60分と短く、速読・速考・速記が求められている。
小論文解説:上智大学文学部哲学科(公募推薦)
文学部ドイツ文学科
一般的な文章読解型の小論文が出題される。制限時間も90分であり、余裕をもって取り組むことができる。その分だけドイツ文学科では、正確な読解と、丁寧な記述が求められているのかもしれない。
小論文解説:上智大学文学部ドイツ文学科(公募推薦)
文学部新聞学科
上智大学新聞学科の小論文の難点は、制限時間の短さにある。60分で1000字作文と、用語説明が数問と、漢字の読み・書きが課される。日ごろから「書く」行為の実践を積み重ねておく必要がある。
小論文解説:上智大学文学部新聞学科(公募推薦)
総合人間科学部教育学科
広く「教育」にまつわる小論文が出題される。設問形式は、固定化されていない。様々な角度や分野から、様々な方法や書き方で、「教育」に関する意見が問われる。「将来的には教育者になる者」としての解答作成が求められる。
小論文解説:上智大学総合人間科学部教育学科(公募推薦)
総合人間科学部心理学科
上智大学心理学科の公募推薦は、問題文が超長文となっている。設問が数問しかないため、回答に「必要な箇所」と「不必要な箇所」の選別が重要になる。読む量が多いために速読の技術も必須。
小論文解説:上智大学総合人間科学部心理学科(公募推薦)
総合人間科学部社会学科
基本的には文章読解型小論文が出題される。内容は「貧困」とその原因としての「市場経済」というものが頻出。が、それ以外の問題形式や、社会学全般にわたる内容も近年では出題されている。
小論文解説:上智大学総合人間科学部社会学科(公募推薦)
総合人間科学部社会福祉学科
「社会福祉」に関する小論文が出題される。長文の課題文が載せられることもあれば、表やデータが添えられることもある。幅広い「福祉」の「知識」が要求されることもある。
小論文解説:上智大学総合人間科学部社会福祉学科(公募推薦)
総合人間科学部看護学科
看護学科の文章読解型小論文は、人文学系の小論文と、医療系の小論文の中間にあるような内容になっている。与えられた問題文の趣旨を、自分に置き換えて考えてみることが求められている。
小論文解説:上智大学総合人間科学部看護学科(公募推薦)
法学部法律学科
典型的な文章読解型小論文が出題される。問題文には、日常生活において目にする不備や課題が提示される。それに対して設問では、その不備や課題を法や制度・ルールを使って解決していくことが求められる。
小論文解説:上智大学法学部法律学科(公募推薦)
法学部国際関係法学科
「法学部」というよりも、「国際関係」にまつわる問題文が頻出である。「国際的な問題の解決」というよりは、「国際問題」の現状を分析したり、そこにある課題を導き出すような設問が多い。
小論文解説:上智大学法学部国際関係法学科(公募推薦)
法学部地球環境法学科
文章読解型小論文または課題型小論文が出題される。身近なところから地球規模まで、「環境問題」が常に出される。地球や地域の環境を、どのように持続可能なものとするのか。それを問うのがこの学科の一つのテーマと言える。
小論文解説:上智大学法学部地球環境法学科(公募推薦)
外国語学部ドイツ語学科
外国語、外国文化、国際関係といった分野から出題される。「読解」に知識は要らないが、解答は「外国文化の一つとしてのドイツ文化」や「外国語の一つとしてのドイツ語」の視点から作成するのが無難。
小論文解説:上智大学外国語学部ドイツ語学科(公募推薦)
外国語学部フランス語学科
志望理由書のような小論文が課される年度もあれば、一般的な文章読解型小論文が課される年度もある。「フランスを中心とした国際(社会・言語・文化)関係」の範囲内から出題される。
小論文解説:上智大学外国語学部フランス語学科(公募推薦)
外国語学部イスパニア語学科
国際関係に関わる内容が広く出題される。設問は、「現代文の要素」と「小論文の要素」を備えたものが4~6問程度。基礎的な読解力と記述力が試されている。
小論文解説:上智大学外国語学部イスパニア語学科(公募推薦)
外国語学部ロシア語学科
「ロシア・ソ連についての基礎的知識を問う設問を含む小論文」という課題。名称の通り半分以上の設問で「ロシアの知識」が問われている。小論文の要素は僅か。
小論文解説:上智大学外国語学部ロシア語学科(公募推薦)
外国語学部ポルトガル語学科
「ポルトガル語圏に関する基礎的知識を問う設問を含む小論文」という名称の課題。大半がポルトガル語圏に関する知識問題。小論文は「志望理由書」に近い内容が多い。
小論文解説:上智大学外国語学部ポルトガル語学科(公募推薦)
総合グローバル学部総合グローバル学科
グローバリゼーションに関する内容が出題される。問題文と設問は、年度によって異なる形式となっている。「アジア」「アフリカ」「貧困」「紛争」といったテーマが頻出である。
小論文解説:上智大学総合グローバル学部総合グローバル学科(公募推薦)
上智大学の小論文:一般選抜・共通テスト併用型編
上智大学の小論文
2021年度の入試改革により「自由論述が中心となる小論文」が課されるようになった学科は「社会福祉学科」です。「哲学科」と「新聞学科」は以前から小論文が課されており、21年度の入試改革によって「若干の変更」がありました。それ以外の学部・学科については「小論文」というよりも、個別の「学部適性(選択問題)試験」といった方が適した内容になっています。その中でも「心理学科」は各選抜テストで内容が異なるために、注意が必要です。
特別入学試験
上智大学は公募制推薦入学試験などの特別入学試験で、以前から、各学科個別の小論文試験が実施されています。「哲学科」「新聞学科」「社会福祉学科」ともに21年度以降の一般選別試験では、そのような特別入学試験の内容とレベルを踏襲しています。そこではそれぞれの学科に特化した「文章力」や「思考力」ならびに「知識」が求められています。また「心理学科」に関しては、各選抜テストで問題形式が異なるために注意が必要です。
文学部哲学科
哲学への関心および読解力・思考力・表現力を問う試験。変更点はマーク式の選択問題が加わった点。哲学的な「知識」に加え、根本的な「考える」行為と、それを文章で伝達する能力が必要。
小論文解説:上智大学文学部哲学科(一般選抜)
文学部新聞学科
ジャーナリズムに関する基礎的学力試験。変更点はマーク式の選択問題が加わった点。ジャーナリズムに携わっていこうとする者には不可欠な、「知識」と「言語使用能力」が試されている。
小論文解説:上智大学文学部新聞学科(一般選抜)
総合人間学部心理学科
文章読解型小論文と表・データの読取型小論文の融合問題。カトリック推薦では課題型小論文が課され、公募推薦では超長文の文章読解が課される。様々な小論文の形式を知っておく必要がある。
小論文解説:上智大学総合人間学部心理学科(一般選抜)
総合人間学部社会福祉学科
社会および社会福祉に関する理解力と思考力を問う試験。出題形式や難易度は公募制入試、カトリック推薦入試の内容を踏襲。社会福祉に日ごろから、興味・関心を持っていないと解けない設問となっている。
小論文解説:上智大学総合人間学部社会福祉学科(一般選抜)
上智大学の小論文:カトリック高等学校対象特別入学試験編
上智大学のカトリック推薦
2021年度の入試改革により、カトリック推薦での学内選考が廃止になり、学校長の推薦状も不要となりました。高等学校内での選抜はなくなったのですが、それにより、書類と小論文、面接による「上智大学」での選考に重点が置かれるようになりました。
カトリック推薦の小論文
一般選抜入試や公募制推薦入試と比べて、小論文の難易度が劣るということはありません。総合グローバル学科や社会福祉学科などの、本文が付されていない課題型小論文が出る傾向にある学部では、「カトリック推薦の小論文の方が難しい」という印象があります。逆に、心理学科などは倍率などの諸条件も含めると、場合によっては「カトリック推薦の方が断然に有利」ということもあります。
神学部神学科
公募推薦と同様に、新約聖書またはカトリック中央協議会による文章が主に問題文として使われている。聖書は必読。キリスト教に関する知識も必須。「カトリック」に特化した教義の意味や解釈方法が出題される。
小論文解説:上智大学神学部神学科(カトリック推薦)
文学部哲学科
公募推薦と同様に、哲学の「知識」よりも、哲学的な「思考力」と「表現力」が試される問題が出される。合計千数百字の論述に対して制限時間は60分と短く、速読・速考・速記が求められている。
小論文解説:上智大学文学部哲学科(カトリック推薦)
文学部新聞学科
公募推薦と同様に、新聞学科の小論文の難点は、制限時間の短さにある。60分で1000字作文と、用語説明が数問と、漢字の読み・書きが課される。日ごろから「書く」行為の実践を積み重ねておく必要がある。
小論文解説:上智大学文学部新聞学科(カトリック推薦)
文学部ドイツ文学科
公募推薦と同様に、文章読解型の小論文が出題される。制限時間も90分であり、余裕をもって取り組むことができる。その分だけドイツ文学科では、正確な読解と、丁寧な記述が求められているのかもしれない。
小論文解説:上智大学文学部ドイツ文学科(カトリック推薦)
総合人間学部心理学科
公募推薦とは異なり、カトリック推薦では課題型小論文が課される。60分で1000字程度。内容は「心理学」的なものである。「心理学」の知識ではなく、自分なりに「考察」することが求められている。
小論文解説:上智大学総合人間学部心理学科(カトリック推薦)
総合人間学部教育学科
公募推薦とは異なり、カトリック推薦では課題型小論文が課される。内容は「教育」についてである。普段から「教育」について深く考えていないと、書けないような問題となっている。
小論文解説:上智大学総合人間学部教育学科(カトリック推薦)
総合人間学部社会学科
公募推薦と同様に、文章読解型小論文が出題される。内容は「貧困」とその原因としての「市場経済」というものが頻出。が、それ以外の問題形式や、社会学全般にわたる内容も近年では出題されている。
小論文解説:上智大学総合人間学部社会学科(カトリック推薦)
総合人間学部社会福祉学科
2021年度は文章読解型小論文が出題されたが、それ以前はほぼ課題型小論文が出題されている。社会福祉に関心がないと解けないような内容となっている。60分。指定字数は年度によって異なる。
小論文解説:上智大学総合人間学部社会福祉学科(カトリック推薦)
総合人間学部看護学科
公募推薦と同様に、看護学科の文章読解型小論文は、人文学系の小論文と、医療系の小論文の中間にあるような内容になっている。与えられた問題文の趣旨を、自分に置き換えて考えてみることが求められている。
小論文解説:上智大学総合人間学部看護学科(カトリック推薦)
法学部法律学科
公募推薦と同様に、典型的な文章読解型小論文が出題される。問題文には、日常生活において目にする不備や課題が提示される。それに対して設問では、その不備や課題を法や制度・ルールを使って解決していくことが求められる。
小論文解説:上智大学法学部法律学科(カトリック推薦)
法学部地球環境法学科
公募推薦と同様に、文章読解型小論文または課題型小論文が出題される。内容は、身近なところから地球規模までの「環境問題」について。地球や地域の環境を、どのように持続可能なものとするのか。それを問うのがこの学科のテーマとなっている。
小論文解説:上智大学法学部地球環境法学科(カトリック推薦)
法学部国際関係法学科
公募推薦と同様に、「法学」よりも「国際関係」にまつわる問題文が頻出。「国際的な問題の解決」というよりは、「国際問題」の現状を分析したり、そこにある課題を導き出すような設問が多い。
小論文解説:上智大学法学部国際関係法学科(カトリック推薦)
外国語学部ドイツ語学科
公募推薦と同様に、外国語、外国文化、国際関係といった分野から出題される。解答は「外国文化の一つとしてのドイツ文化」や「外国語の一つとしてのドイツ語」の視点から作成するのが無難。
小論文解説:上智大学外国語学部ドイツ語学科(カトリック推薦)
外国語学部フランス語学科
公募推薦と同様に、志望理由書のような小論文が課される年度もあれば、一般的な文章読解型小論文が課される年度もある。「フランスを中心とした国際(社会・言語・文化)関係」の範囲内から出題される。
小論文解説:上智大学外国語学部フランス語学科(カトリック推薦)
外国語学部イスパニア語学科
公募推薦と同様に、国際関係に関わる内容が広く出題される。設問は「現代文の要素」と「小論文の要素」を備えたものが4~6問程度。基礎的な読解力と記述力が試されている。
小論文解説:上智大学外国語学部イスパニア語学科(カトリック推薦)
外国語学部ロシア語学科
公募推薦とは異なる、文章読解型小論文が出題される。公募推薦のような「ロシア」に関する知識が問われることはない。主に、コミュニケーションや言語、異文化についての文章が出題される。
小論文解説:上智大学外国語学部ロシア語学科(カトリック推薦)
外国語学部ポルトガル語学科
文章読解型小論文が出題される。ポルトガル語圏の文化や言語について問われる点では公募推薦と似ている部分もある。が、カトリック推薦は、「知識重視」というよりは「考察重視」の設問となっている。
小論文解説:上智大学外国語学部ポルトガル語学科(カトリック推薦)
総合グローバル学部総合グローバル学科
公募推薦とは若干異なり、主に、課題型小論文が出題される。自分なりに「グローバリゼーション」というものを定義づけ、あらかじめ、それについての私見を築いておく必要がある。
小論文解説:上智大学総合グローバル学部総合グローバル学科(カトリック推薦)
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