一般選抜の小論文
上智大学新聞学科が求めているのは、ジャーナリズムへの関心と、時事問題を自分なりに分析する考察力と、他者に物事を伝えるための文章力である。これは一般選抜入試だけでなく、カトリック推薦入試や公募推薦入試にも当てはまる。
そのような「能力」を測るためのテストとしては、上智大学新聞学科の問題は合理的なものと言える。用語の解説や1000字作文、厳しい時間制限があるのも理にかなったことである。新聞学科の「作文/小論文」はそのように、完成度の高いものであるために、「その場しのぎ」の技術や知識だけでは通用しない。
逆に、新聞学科の「作文/小論文」対策をやっていなくても、ジャーナリズムに普段から関心のある者であれば、高得点を狙える可能性もあるかもしれない。時事教養に精通し、「文章化して物事を他者に伝える」ということが日常生活に組み込まれていれば、特別なことは何もしなくてよいのである。
要するに、世間で起こる事象を「もっと知りたい」と貪欲に思い、文章を書くのが好きで日ごろから文章を書いていればよいのである。これは、そのような「姿勢」が身についているのかどうかを見極めるための試験でもある。
合格レベル
2021年の一般選抜の倍率は4.6倍であった。2017年から4倍前後で推移しており、大きな変動は見られない。学科の定員数も50人と中規模であるために、「学力」や「文章力」も含めて今後も同じような状況が続くであろう。
「作文/小論文」の課される「ジャーナリズムに関する基礎的学力試験」について、「合格レベル」としては「ミスなく全てを書き終える」という指標が最初に存在する。そこから、どこまで機知に富んだ解答を作成できるのか、といったことで差がついてくるのであろう。
一般選抜の対策
1000字の作文対策は不可欠である。まずは1000字を書き切ること。一般的な高校生では、与えられた一つのテーマに対して1000字の文章を書き切ることも出来ないのである。「ジャーナリズムに関心のある高校生」であれば、せめて、一通り、「意味のある論」として1000字を書き終えてほしいところである。
次に「内容の整合性」や「一貫性」「具体と抽象…」などといった「書き方」も大切なのだが、「時間配分」が新聞学科では重要となる。これも、「文章力に自信のある高校生」でも、対策をしていなければ「時間内にすべての設問に答えることは出来ない」というのが通常なのだ。そのために、どの問題から解いていくのか、というシミュレーションをしておくことは有効であろう。
そして最後に「何が出ても書ける」というほど、見聞を広めておくことが必要である。哲学科で求められる内容の深さや、ポルトガル語学科やロシア語学科で問われる細かな知識などは、無くてもよい。その代わり、2月までには「時事的な事柄であれば、ある程度、適切な説明ができる」といった状態にして、試験に挑むべきである。
ちなみに、世間で出版されている「時事用語集」のようなものは、半年から1年以上前の内容が載っているため、新聞学科の試験対策としては「覚えてもほぼ無意味」であることを知っておこう。
志望校合格に必要な力を効率よく身につけるとともに、小論文の「本質」を学んで、人生を謳歌するための強力な武器を手に入れていただければ幸いです。
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