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小論文解説:上智大学総合人間学部心理学科(カトリック推薦)

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カトリック推薦の小論文

上智大学心理学科カトリック推薦入試の小論文の問題は、数行程度の設問文だけが提示される課題型小論文と呼ばれるものである。公募推薦や一般選抜も考えている受験生は、注意が必要となる。公募推薦では長文の文章読解型小論文が課され、一般選抜では表・データ分析型の小論文が課されるのだ。それらは全く異なる形式のものとなっている。そのために、それらの受験方法に合わせた学習計画が必要となる。
カトリック推薦・心理学科の小論文の内容は、「ユーチューバー」や「自粛」といったタイトルだけが与えられる上智大学新聞学科などの小論文と比べると、「回答条件」が複雑なものとなっている。たとえば「三つの対策を挙げなさい」や「反論を想定しつつ~」「メリットとデメリットについて具体的に述べなさい」といった文言が付されている場合が多いのだ。その「条件」に忠実になり、解答を作成していかなければならないのが特徴である。
そのような「条件」を含んだ設問要求を解答用紙に再現するのに、指定字数の1000字というのはやや長く、制限時間の60分というのはやや短く感じる。さらに考察の方向性としては、「文学的」や「法学的」「経済学的」なものではなく、「心理学的」なものが望まれるのだ。そう考えると、一見簡単そうに見える課題型小論文であっても、解答作成の練習は積んでおくべきものとなってくる。

 

合格レベル

2021年の入試改革により、上智大学カトリック推薦の難易度は、全体的に上昇している。心理学科も例外ではない。ただ、一般選抜で心理学科を受けた場合、志願者倍率が10倍を超え、一回のテストだけで合否が決まってしまう「偶然性」を克服するのは困難である。それと比べるとカトリック推薦は受験者数も少なく、書類・面接・小論文の総合評価によって合否が決まるため、受験における「不確実性」への対処は可能なものとなってくる。
もちろん単純に「カトリック推薦は受かりやすい」という訳ではない。学業成績を一定の水準以上に保ち、緻密な計画を練ってから書類を作成し、心理学科の小論文に適した文章作法を身に付けなければ、「確実性」が上がることはないのである。

 

カトリック推薦の対策

カトリック推薦における心理学科の小論文対策としては、「1000字を書き切る文章構成」の練習が考えられる。400字の小論文と、1000字の小論文では「論の展開」といった点で違いが出るのだ。「論の展開」が適切に進めば内容が濃くなり、読み手を納得させるような意見を導き出すことができる。そのために、まずは全体像として見た場合の「枠組み」として、「1000字の文章構成」に取り組むのである。
さらに上智・心理の場合、「幸せ」や「侮蔑」「悲しみ」といった個人の内面に対しての考察を事前に掘り下げておく必要もある。それらについて自分なりの視点から、「抽象的に述べること」「具体的に述べること」が出来た上で、入試問題に挑んでもらいたいのだ。そこまで準備をしておかなければ、細かな設問条件に対する忠実な応答が困難となってしまうのだ。
たとえば2021年の「喜怒哀楽は生活になくてはならないものである。反面、邪魔で制御すべきものという側面もある。現代社会ではそれをどのように扱っていくことが望ましいか、具体的に述べなさい」という設問の場合、「喜怒哀楽」の「利点」と「欠点」そして「現代社会」と「喜怒哀楽」との関係と、その「関係」に見られる「利点」の活用方法と、「欠点」の改善方法を、具体例の中で提示しなければ「設問条件」に正確に応えているとは言えなくなってしまうのだ。

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