問題文
上智大学の神学科では基本的に、聖書またはカトリック中央協議会による文章が出題される。聖書の中の出題箇所や、カトリック中央協議会が取り上げている教皇の演説・説教に、明確な「頻出分野」というものはない。が、「三大祝祭日」や「七つの秘跡」など、カトリック信者であれば誰もが聞いたことのある内容が出されることが多い。
また問題文の長さや形式についての「傾向」といったものもない。聖書の中の会話だけが抜き出されたり、教皇フランシスコの聖書に対する解釈の一部が出ることもある。
ただ、カトリック系の高校であれば聖書の時間や、カトリック信者であればミサで説かれる内容が多いため、それほど「難解」であったり、「何が出るかわからない」という不安をあおるものではない。
設問
制限時間は60分。字数は指定される年度の方が少ないが、時間と設問内容から考えて100字前後の「説明」問題から、400字前後の「解釈・意見の提示」問題まであると考えるのが妥当であろう。
「説明」問題は、問題文中に出てくる語彙の簡潔な説明を記すものである。普段は聞きなれている教会用語であっても、正確に説明するとなると難しくなるので注意が必要。「なんとなく知っている」では的確な解答を作成できないのである。
「解釈・意見の提示」問題は、与えられた聖書の意味を解釈したり、それに自分の意見を加えたりする問題である。ここではキリスト教における「解釈」も重要であるが、小論文的な「書き方」も重要となる。単純に自己の「解釈」を語るのではなく、読み手を意識して設問に忠実に、わかりやすく「解答を作成する」ことが求められているのである。
合格レベル
自己推薦書とレポート課題、面接とともに判定される。神学科の志望者倍率は2018年、2020年、2021年で1.4倍となっている。その他の年度についても変化はあまり見られない。
約1.4倍となると上位2/3に入ればよいわけであるが、それは、それほど易しいことではない。出願者のほとんどが上智の神学部神学科を第一志望としており、その対策を練ってきているのである。やはり上智の神学部は、日本で唯一のカトリック神学部であり、そこに入るには周到な準備が必要なのだ。
対策
「対策」として考えられるのは、まずは聖書の精読である。ただ、神学部を受けるのであれば聖書の英訳と和訳を繰り返す方が有効である。それは神学科入試の「キリスト教外国語」の練習にもなるのだ。
次に「解釈」についてであるが、これは「カトリック中央協議会」が出版している書籍やホームページを見るのが最適であろう。教皇の一般謁見演説を読んでおくこと(これも英語版を読んでおくと「キリスト教外国語」の試験対策にもなる)は必須である。それを土台として「自分の解釈・考え」を徐々に固めていくと、入試本番で「考察する時間」を短縮化することが出来るようになる。
その他に、「説明」問題については、基礎的なキリスト教用語をまとめておくことを勧める。「意見の提示」問題では、「小論文」の基礎的な「書き方」を心得ておくことを勧める。
志望校合格に必要な力を効率よく身につけるとともに、小論文の「本質」を学んで、人生を謳歌するための強力な武器を手に入れていただければ幸いです。
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