一般選抜の小論文
他大学との併願を進めて受験勉強をしている者にとっては、かなり労力が必要な問題である。偏差値を基準として受験校を決めていく一般的な大学入試問題で出題されるのは、汎用的な科目ばかりであるのだ。が、上智大学で小論文が課される学科の場合、学科に特化した「知識」の補充と「解法」の会得をしていかなければならないのである。
上智大学文学部哲学科の場合、一般選抜においてもカトリック推薦や公募推薦と同レベルの小論文が出題される。その内容は「一般的な高校生レベル」というよりは、「大学一年生レベル」に近いものである。併願する他大学の受験勉強もしなければならず、さらに哲学科の勉強もするとなると、負担は大きくなるであろう。
ただ、「上智の哲学科」を第一志望とする者にとっては有利であるのかもしれない。特に「哲学的な問い」などといった上智大学独特の設問に対する回答は、確実に、点数を取りに行く箇所であろう。ある程度の練習をこなしておけば、「書ける」ようになるのである。「時間配分」などの「慣れ」に関わる要素を見ても、やはり対策を積んでいる者にとって有利なように作られている。
合格レベル
大手予備校の示す偏差値が60でも、65でも70でも、上智大学一般選抜の場合はそれほど変わらないであろう。特に学科ごとの個別テストの内容が特異であり、難問であるほど、偏差値に頼らない合否判定となってくるのだ。
倍率についても同様のことが言える。哲学科の定員数は十数名なのである。「志願者がその何倍いるのか」というのは年度によって大きく変わるのだ。
そのような偏差値や志望者倍率に対して、「個別試験への対応」というものは取り組む姿勢と計画次第でどうにでもなるものである。適切な内容と量をこなせば点数がとれる哲学科の「個別試験」は、受験という不確定要素に確実性を持たせるものである。
一般選抜の対策
上智大学文学部哲学科に特化した対策が必要である。一般選抜のサンプル問題と過去問を解くのは「前提」となる。そこから上智大学を第一志望とするのであれば「カトリック推薦」や「公募推薦」の問題を解いてみるのが有効であろう。それらの上智大学哲学科の「過去問」に合った対策でなければ有効性も薄れてしまう。
たとえば青山学院の総合文化政策学部や、慶應義塾の文学部なども一般入試で難易度の高い小論文が出題される。が、それらを解いても上智大学哲学科対策としては、ほとんど意味がないのである。哲学の入門書などを読むことも、多少の効果はあるだろう。が、そこに解答作成のためのヒントは記されていない。そうなるとやはり、対策としてもっとも有効なのは「過去問」とその類似問題になってくるのだ。
「2021年度の入試改革」ではあるが、上智大学の場合は特別選抜試験等で類似問題はいくらでも手に入るのだ。「上智を受けるかどうかわからないが、将来的には哲学の方向に進みたい」と思っている者であれば、出来る限りはやく上智の過去問にあたってみるべきである。少しずつであれば受験勉強に支障が生じることもない。早めにはじめ、上智大学哲学科の「思考の訓練」に先に慣れておく、というのも一つの受験戦略としては効果的であろう。
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