基礎的知識を問う設問
制限時間60分で20~40問ほどが出題される。出題されるテーマはロシア語学科とほぼ同じである。
たとえば都市の名称や河川の名称を聞かれたり、著名な人物を聞かれたり、歴史的な出来事を聞かれたりする。設問形式は、選択問題であることも、記述式であることもある。その内容は、相当に対象地域に興味を持って知識の幅を広げておかないと、対処できないような程度のものである。
また、ロシア語学科同様制限時間に対して問題数が多いため、時間配分や問題を解くスピードには、気を付けなければならない。一目見てすぐに分かる設問から埋めていくのが得策であろう。
ポルトガル語学科小論文
「ほぼ課題型小論文」である。問われていることは例年「上智大学のポルトガル語学科で学ぶ意義」なのである。が、毎年その「問われかた」が少しずつ異なる。たとえば2013年の問題は『ブラジル 跳躍の軌跡』という文章が載せられ、穴埋め問題と傍線部説明問題のあとに、「本学ポルトガル語学科で学ぶことで貢献できることは何か」という設問が付されている。それに対して2017年の問題は文章がなく「ポルトガル語圏の国々に関する知識を得ることは、グローバル化する社会においてどのような意義を持つでしょうか」という課題のみが示されている。問われ方は異なるが、どちらも前もって「ポルトガル語学科で学ぶ意義」を固めておく必要がある。それを各テストの指示に合わせて変形していく方法で、解答を作成していくのが妥当であろう。
ポルトガル語学科合格レベル
自己推薦書とレポート課題、面接とともに判定される。ポルトガル語学科の受験者倍率は2021年が2.3倍となっているが、2016年と2019年が1.0倍、それ以外の年度も平均すると1.5倍弱である。基本的には例年1.0倍強といった受験者倍率なのであろう。そう考えるとポルトガル語を第一に学びたい受験生にとっては、上智大学外国語学部ポルトガル語学科の公募推薦は有利となる。ポルトガル語を大学で学ぶそれなりの理由があり、そのために高校の成績も高レベルを維持していれば、あとは「ポルトガルに関する基礎的知識」を身に付け、小論文に少しだけ慣れておけばよいのである。
対策
フランス語学科、ロシア語学科とも共通して言える「対策」は、「志望理由書の原型を作成する」ということである。そしてそれを「小論文の問題」に合わせて変形できるようにしておくこと。それぞれの語学科で学ぶ意味や意義を考える。それぞれの言語と「自己」との関係性などを探る。それらをどのような文脈の中でも語れるように準備することが、上智大学外国語学部の公募推薦「対策」としては欠かせないのだ。
それ以外の小論文対策としては、多少の「国際状況への興味」と多少の「小論文の解法に関する知識」があれば十分であろう。「小論文に知識は要らない」とよく言われるが、そうであっても要約に「自分なりの解釈」を書いてしまったり、グローバル化する社会の現状把握を誤ったまま意見論述を書いていては、高得点は狙えないのだ。そのような「基礎的部分」は確実に押さえておかなければならない。その上で、「小論文」以外で「平均点」を取れる自信がある受験生であれば、小論文は「問題文を客観的に読み、設問の要求に適切に応える」ということだけを意識していればよいであろう。
志望校合格に必要な力を効率よく身につけるとともに、小論文の「本質」を学んで、人生を謳歌するための強力な武器を手に入れていただければ幸いです。
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