問題文
公募推薦と同様に、内容は「フランス語」「外国語学習」「異文化理解」「グローバル化」「日本文化」など、国際系の学部で頻出のテーマが多い。問題文の文章自体はそれほど難しいものではない。
ただ、カトリック推薦の場合、長さについては一般的な受験生が60分という時間内で読み、それについて考え、解答を作成するのにはやや多い分量である。本文の要約だけでなく、傍線部の意味を説明する問題が出されることもある。そのため、細部に至るまでの正確な理解を強いられることもあるのだ。公募制入試ではこれらのことを90分という時間内に行えばよいのだ。が、しかし、カトリック推薦では60分しか時間が与えられないのである。そこでは「問題を解く」ことを優先し、「精度を高める」ことは後回しにせざるを得ないことも出てくることであろう。
設問
もっともシンプルな年度の場合は、一つの問題文に対して「要約説明問題400字+意見論述問題800字」の設問があるという形式である。「要約説明問題」に関しては、それ以外に2~3つの小問が加わることもある。その場合、字数はどれも100~200字程度となっている。
「意見論述問題」に関しては、大抵は800字であるが、1200字ほどに字数が増えることもある。内容は「本文に対するあなたの意見」が求められる場合と、本文を参考として「あなたが大学で学ぶこと」を求められる場合がある。「あなたが大学で学ぶこと」については、「簡易版の志望理由書」と捉えて良い。そのため、あらかじめ下書きを作成しておいた方が有利であるし、書類関係と小論文との整合性をあらかじめ維持しておかないと、小論文と共に面接でも不利になる可能性がある。「本文に対するあなたの意見」については、一般的な文章読解型小論文と同じものである。設問1が要約で、設問2が意見論述というのが基本形なので、設問1の内容を土台として、設問2の解答を作成していけばよい。
合格レベル
カトリック推薦制度全般に言えることだが、カトリック高等学校での評定平均という選定があるために、世間一般の入試制度と比べて「難易度はそれほど高くない」という印象がある。が、上智大学のカトリック推薦の場合、「設問の難易度が上がるケース」と「制限時間が短くなり、全問題を解くことが困難になるケース」がある。フランス語学科は、後者の「時間的な制限」の方であろう。本文読解と1400字ほどの記述を60分以内で行うのには、相当の集中力が必要となる。
対策
フランス語学科の対策は、「志望理由書の原型を作成する」ということである。そしてそれを「小論文の問題」に合わせて変形できるようにしておくこと。それぞれの語学科で学ぶ意味や意義を考える。それぞれの言語と「自己」との関係性などを探る。それらをどのような文脈の中でも語れるように準備することが、上智大学外国語学部のカトリック推薦「対策」としては欠かせないのだ。
もちろんそれ以外の小論文対策として、「小論文の基礎的な解法」は、身に付けておくべきであろう。多少の「国際状況への興味」も必要である。「小論文に知識は要らない」とよく言われるが、そうであっても「グローバル化する社会の現状把握」を完全に誤ったまま意見論述を書いていては、高得点は狙えないのだ。