大学の必要性


新型コロナウィルスの影響によりほとんどの大学で前期の授業がオンラインでの実施になっていたが、後期の授業についてもすでにオンラインで行うことを表明しているところがある。後期についてはまだ方針を保留している大学も少なくないが最近の再度の感染拡大の様子を見ていると後期もオンラインでの授業を継続するところが多くなりそうだ。1年間キャンパスに行かずにすべてオンラインでの授業となると大学に入ることの意義が問われることになる。

世界ではMOOC(大規模公開オンライン講義)として900以上の大学が10,000を超える講座を提供している。日本版のJMOOCでも340講座が提供され、延べ学習者は100万人を超えている。しかもこれらのMOOCの講座は基本的にすべて無料で提供されている。これまでは場所や時間の制約から各大学で同じような授業をする必要があったが、オンラインでオンデマンドになれば、1つの講座で事足りる。提出物の確認や採点は必要になるかもしれないがほとんどのことは大学院生のTA(ティーチングアシスタント)に任せられるはずだ。そのように考えて今の大学の授業料が不当に高いと感じるようになる人は今後ますます増えるだろう。

元々インタラクティブでない授業の価値はそこまで高くなかったのかもしれない。インタラクティブでなくても、その場でしか感じられないライブのよさというのはもちろんあるが、ミュージシャンや舞台俳優のような情熱をライブのパフォーマンスに注ぐ大学の教員はそこまで多くなく、どこまでライブならではの価値が提供されていたかは疑問だ。単位として必要だからその授業に出るけれど同じような内容のよりわかりやすいオンデマンドの講座で単位が取れるのであればそちらの方が好まれるのではないか。そういう意味では各大学の授業のオンライン化は元々の授業自体の価値に疑問を持つきっかけになっているのかもしれない

インタラクティブな参加型にしたり、ライブ感を出したりすることで、オンラインの場でも既存の良質な録画のコンテンツに勝る価値を出すことは可能だ。インタラクティブにすればその場で能動的に考えるようになり学生の学びも大きい。現在の状況に合わせた話をしたり、自身の最新の研究成果を含めたり、「今」の話をしてライブ感を出せると、学生は今そこに参加する意義を見出す。オンラインであってもやり方次第で、その大学に通う必要性を感じさせることができる。

これまでも大学に行く意味をもう一度考えてもらうために反語的に「そもそも大学に行く必要ある?」と受験生に問いかけることがあったが、それが純粋な疑問にならないといい。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。