政治への参加


昨日、投開票のあった第45回衆議院議員選挙で民主党が300議席を超える議席を獲得し、これからの日本の政権を担うことになった。前回2005年のいわゆる「郵政選挙」のときもそうだったが、小選挙区制になり、立候補者個人を選ぶより、政党を選ぶ色合いが濃くなってきたようだ。その是非はともかくとして民主党の小沢一郎代表代行が以前から強く提唱してきた二大政党制にほぼ移行したようにみえる。今までも有権者が自民党に不満を持ったことは何度もあったと思うが、かといって他に政権を担えそうな政党が見当たらず、結局、仕方なしに自民党に入れている人が多かったという印象がある。しかし、最初は寄せ集めのようだった民主党が最近になってようやく1つの党としてまとまりはじめ、自民党に伍して戦える、どころか一気に圧勝するまでになった。まだ頼りない印象はあるものの、それは自民党も対して変わらない、というのが多くの人が考えたところだろう。「郵政選挙」と今回の2回の劇的な選挙を経て、多くの国民は自分の一票が政治を変えた、という思いを持ったのではないだろうか。これだけ劇的に変わると逆に心配になる部分もあるが、国民が自分で選んだという気持ちは大事だ。

しかし、一方で、未だに為政者を自分とはかけ離れた存在として見ている人が多い印象を受ける。政治家は自分たちで選んだ自分たちの代表であるはずなのについつい自分と切り離してみてしまう。世の中の景気が悪くなると政治家のせいにし、何とかしろ、と注文をつける。批判や注文は必ずしも悪いことではない。しかし、ケネディ元アメリカ大統領ではないが、国が自分のために何をしてくれるかだけではなく、国のために自分が何をできるか、ということをもう少し考えてもいい。

今まで、日本は、経済一流、政治三流などと揶揄されてきたが、結果だけ見ると戦後の日本の歩みは他の国と比べて類のないほど着実である。もちろん安保闘争、公害問題、地下鉄サリン事件、バブル崩壊などもありこれまで一筋縄で来たわけではないし、今も年金問題、格差の問題、等、課題は山積みだ。しかし、他の国で起きた戦争、クーデターや金融危機のことを考えると、これほど安定して発展した国というのはそれほどないのではないかと思う。優秀な官僚がいたからだ、とか、民間が頑張ってきたからだ、といわれることも多いが、スポーツで監督のかじ取りがそのチームの勝敗に与える影響が大きいように、国がうまくいったり、うまくいかなかったりするときに政治家の影響というのは大きい。スポーツにおいて選手の力で勝っても監督が一定の評価を受けるように、国がそれなりにうまくいっていれば政治家に対し、やはりそれなりの評価をすべきだと思う。だから日本の政治家は優秀で、今まで通りやってくれればいい、という気は毛頭ないが、私たちも無責任な批判をするだけではなく、評価すべきポイントをきちんと押さえて、建設的な批判ができるようになるといい。1回の選挙での政権交代の実現が現実的となった今、有権者の良識が今まで以上に求められる。民主主義のもとで自分たちが政治家を選んでいる限り、自分たちが成長しないと政治家も成長しない。自分たちで国の方向を決めるという責任感をもって政治に参加するようにしたい。


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