咎める力


洋々では大学受験および高校受験のグループ討論対策を行っている。こちらで提示したテーマについて受講生同士で議論をしてもらい、改善すべき点をフィードバックする。グループ討論においてはいかにそのグループに対して価値を出すか、ということが大事だが、価値の出し方にはいろいろな形がある。たとえば、他のメンバーとは異なる新しい視点を提示することで議論の幅を広げることができれば価値のある発言と言える。どちらかと言えば他の人の意見を批判するよりもそれをうまく活用してさらに自分の意見を加えて議論を盛り上げる方が価値を出しやすい。とはいえ、ポイントがずれている主張に対しては、それを的確に指摘して、議論が正しい方向に向かうように促すのもそれはそれで価値を加えることになる。外から見ている試験官としては、おかしな主張があっても議論がそのまま流れていくと議論の質が低いように感じてしまうし、逆にその主張を適切に咎められる人はグループへの貢献度が高いように感じる。

咎める力は適切に発揮できると高い評価につながるが、一方で何でも批判すればいいというわけではない。グループ討論の中で誰かが根拠の薄い主張をするとついそれを正したくなるが、場合によっては突っ込みを入れる価値がないこともある。討論のテーマの本質とはあまり関係のない、些細なところで誤りがあったときに、いくらそこを攻撃しても大してポイントは稼げない。それどころかそこに時間をかけ過ぎることはグループの議論を停滞させてマイナスの影響を与えることにもなり得る。

野党にしてもマスコミにしても咎める力は大切でそれこそ彼らの存在価値と言ってもいい。歴代最長となった安倍政権を正しく牽制し、落ち度があれば厳しく咎めることによって、日本の政治は正しい方向に向かう。ただ、最近の大学入試改革や桜を見る会に対する批判や追及を見ていると、それが今の最重要課題なのかと疑問に感じることも少なくない。もちろん政権に不正や不祥事の可能性があれば厳しく追及すべきではあるし、些細な問題だというつもりはないが、日本を代表する人たちが議論すべき中心のテーマとしてふさわしいだろうか。外から見ているとどうしても効果的なパンチを繰り出せていないように感じてしまう。


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