好きな科目と嫌いな科目


登山の際には、道が整備されていて登りやすく展望のよいところもあれば、歩きにくく景色に面白みのないガレ場もある。比較的平坦で余裕を持って歩けるところもあるし、一つ一つの動きに慎重さを要する岩場もある。登山中は常に楽に歩けて景色のよいところを求めている気がするが、おそらくそのようなところだけだと登山の楽しさは半減する。面倒なところ、きついところは、できれば避けたいと思いつつ、どこかで楽しんでいるところもあるのかもしれない。考えてみれば、平坦なところを退屈に感じたり、厳しい登りに達成感を感じたりすることもある。

多くの受験生には好きな科目と嫌いな科目があるが、人によって好き嫌いは大きく分かれる。最も顕著に差が出るのが数学だろうか。理解できないことに苦しめられて嫌になってしまう人もあれば、一見難しい問題を解き切ることに快感を覚える人もいる。一方で数学が好きな人には社会系の科目があまり好きでないという人も少なくない。私自身も中高生の頃は数学や理科に比べて歴史や地理の勉強はあまり楽しめなかった覚えがある。社会系の科目は一つ一つのことを理解することで徐々に全体がわかっていくという面白さがあるが、着実に積み上げていくことの楽しさがわからないと退屈に感じることもある。山登りと同様、ある程度スムーズに着実に進むのが楽しいと思う人もいれば、多少チャレンジングでも乗り越える喜びのある方を好む人もいる。

今では私も歴史や地理を学ぶことをとても楽しく感じるので、中学高校時の好き嫌いがずっと続くというわけでもなさそうだ。それぞれの科目にはそれぞれの学びの楽しさがあることが理解できると、ときに直観的に避けたくなることがあってもそれも楽しみのうちと思って続けられるようになる。難解な本を読んだり、不慣れな外国語を学んだりすることは、困難な山道を登るのと同じで、ときに怯みそうになることもあるが、学びを通じて得ることの楽しみを知れば、登る意欲が湧く。トラウマになるほどの苦痛がない限り、自分の好きな道を楽しむのはもちろん、多少退屈だったり、困難で面倒に感じたりする道でも、その味わい方を探りながら登っていけるといい。


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