覚えようとせずに覚える
中学1年次の英語の先生の「覚えようとして覚えるな、覚えるまで繰り返せ」という教えは印象的で今でもよく思い出す。中高生のときに英語の音読を自然に覚えるまで繰り返したことは英語の基礎を固めるのに大いに役立った。多少なりとも古文や漢文が読めるようになったのは古典を何度も音読したからだと思う。必ずしも覚えようとして覚えることがいけないとは思わないし、むしろそうすることが必要な場合も少なくないと思うが、意識せずに覚えるくらい繰り返す余裕があればその方が自然で定着もするように思う。
脳の詳しい仕組みはわからないがスポーツや楽器の演奏など身体の動きの学習と共通の仕組みが身体を使わない学習にもあり、いわゆる「勉強」においても活用できる。繰り返し練習することで脳の中にそのための回路ができ手順を頭で考えなくても上手にこなせるようになる。学習した内容を意識的に思い出そうとしなくても自然に結びついているような感覚で思い出せる。
「覚えようとせずに自然に覚えるまで繰り返す」方法のいいところは覚えられなくてもモチベーションを失いにくいことだ。何回かやって覚えられなくても気にしなくていい。さらに繰り返せばいいだけだ。英語の単語帳を何回か読んでも覚えられないのは当たり前、気長に繰り返せばいつしか覚える。
パソコンやiPod、iPhoneなどで音楽を聴くと再生回数がカウントされるので何回くらい聴くと身近に感じるのかがわかる。新しい音楽を聴くとき、数回聞いただけだとその都度まるで初めて聴いた曲のように感じる。しかしその間にも脳にそのメロディは徐々に刻まれて10回目くらいになればだいたいのメロディが頭の中で再現できるようになる。さらに聞き続けて20回目くらいになるとすっかり聴き慣れてその曲はとても身近に感じるようになる。気持ちを集中して覚えようとして聴いたらもしかしたら数回でメロディを覚えることも可能なのかもしれないがそのようなことをせずに何か他のことをしながら聴くことに集中していなくても20回聴けば自然にメロディを口ずさめるようになる。
英単語を覚える脳の仕組みは音楽を聴く仕組みとは違うかもしれないし回数は参考にならないかもしれないが、覚えようとして覚えなくても一定回数繰り返せば覚えるというところは同じだ。大事なのは記憶力や集中力ではなく回数だと思えば気負わずに取り掛かることができる。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。