ロシア語


先月モスクワを訪問するにあたりロシア語を勉強してみた。本を何冊か購入して1ヶ月くらい独学でやってみたのだが改めて外国語習得の難しさを思い知らされた。まずアルファベットを覚えるのに意外と時間がかかる。キリル文字はローマ字と共通点も多いが、それでも33文字覚えるのは思っていたほど簡単ではない。それから「こんにちは」「ありがとう」などのごく基本の挨拶を覚えるのもそれなりに時間がかかる。「ありがとう」の「スパシーバ」とかはまだよいが「こんにちは」の「ズドゥラーストゥビチェ」とかは何度も聞いて何度も発音してもなかなかすっと出てくるようにならない。

大学時代に学んだドイツ語は全く物にならなかったと思っていたが、それでも多少の挨拶くらいはできるようになったし、ごく基本の単語は覚えているし、辞書を引きながらであれば多分何とか本も読めると思う。学んだ後に振り返ると1ヶ月くらいで学べるくらいの量でしかないような気がしてしまうが、それなりに時間をかけないとできないくらいの学びはあったのかもしれない。

英語についても中学校で学ぶようなことはいつの間にか「当たり前」のことのようになっていて、中学3年間で習うことは1ヶ月もあれば学べるような気がしてしまう。実際には、”This is a pen.”がスムーズに出てくるようになるだけでも、それなりに時間がかかる。新たな外国語に触れてわからないことだらけになるとそれを思い出すのだが、いつもは、できるようになる前の風景を忘れてしまう。登るときは大変なのに登った後は簡単だったように感じてしまうのだ。

何かを学習するとき、人によって習得のスピードは異なるが、ほとんどの人は同じような道を通って少しずつ学んでいく。それなのに一度習得してしまうと、学ぶ前の状態は忘れてしまう。「当たり前」が「当たり前」でなかったときの風景を思い出すのは簡単ではない。普段はわざわざそれを思い出す必要はないが、人に対して何かを教えたり伝えたりするときには、教えられる側、伝えられる側と同じ視点に立った方がより効果的だ。まだ何もわかっていなかったときに見えていたものを思い出すことができると、今そういう状態にある人にとっても、分かりやすい形で教えたり伝えたりすることができる。自分にとって新しい分野を学ぶことは知的好奇心を満たしてくれる上に、「当たり前」が「当たり前」でなかったときの感覚を思い出させてくれる、という副次的な効果もある。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。