休暇の効能


報道によると安倍首相は10日から11日間の長期休暇に入ったという。昨年の衆院選以来、働き過ぎの懸念もあったし、タイミング的にもよい休暇の取り方だと思う。適当な頻度でしっかり休みを取ることは長期政権を敷くために大事だろう。特に前回、肉体的なものか、精神的なものかわからないが、健康の問題で辞任したことを考えると今回はやり方を変える必要がある。

サラリーマンとして会社勤めをしていたとき、私は、有給休暇をほぼ全て使いきっていた。多くの人がせめて次年度に持ち越しできない分は今年度中に消化しようと苦労する中、私の場合はそもそも次年度に持ち越しができないほどの休暇は残っていず、残り少ない休暇でいかにその年を乗り越えるか、というところに苦心した。休暇をとってリフレッシュすれば仕事の効率も上がるし、普段の仕事に関係ないことをすることは仕事の幅を広げる上でも役に立つと思っていた。

今でも基本的には休みはしっかり取った方がよいと考えているが、一方で普段の生活の中でリフレッシュしながら休みを取らずに充実した仕事をすることも可能なのではないかと思っている。日本電産株式会社の永守重信社長は年間365日、元日の午前を除いて毎日16時間働いているという。肉体労働の場合は体を休める必要性がわかりやすいがデスクワークの場合はどうなのだろう。デスクワークでもパソコンに入力し続けたり、ずっと電話で話をしたり、同じ作業を長時間する場合には休みが必要そうだ。しかし、知識労働者であれば1つの作業をし続けなければならないようなことはあまりないだろう。メールを送ったり、電話で話したり、会議に出たり、提案資料を作成したり、顧客に会ったり、といった仕事であれば肉体的な負担はそこまでないはずだ。休みをとって遊びに行く方が肉体的な負担は大きいかもしれない。混雑した電車で長時間の通勤を強いられたり、忙しいときに睡眠時間を削らざるを得ないと肉体的な負担がかかるかもしれないが長期休暇を取るほどのものではない。どちらかというと長期休暇は精神的負担の軽減を求めてのものになるかもしれない。会社で精神的な負担がかかり一時的にでもそこから逃れたいということもあるだろう。しかし、その場合も長期休暇の効果は明らかではない。嫌なことがあって会社から一時的に離れて一瞬心が晴れても戻るときには却って大きな負担になってしまいそうだ。仕事による精神的な負担は日々の仕事の中で解決しなければいけない。休暇をとって一時的に軽減しても根本の解決にはならない。

では、どうして休みが必要なのか。最も大きな利点は日々の仕事の中でごちゃごちゃになってきた頭の中を整理できるということだ。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は1年間に2回、1週間程度のThink Weekをとって社員はもちろん家族とも接触せずに1人で考える時間を確保しているという。日々業務に追われているとどうしても見方が偏ってしまったり、考えが広がらなくなったりする。それが十分余裕を持って自由に考えられるような環境に身を置くことでバランスのとれた考えを取り戻したり、新たなアイディアを思いついたりできるようになる。

永守社長のように365日仕事をし続けても大丈夫であるような環境を作りつつ、それでも年に数回、長期休暇を取って頭を新鮮な状態に保てると長期的にいいパフォーマンスを出し続けることができるのではないか。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。