ロバスト


「ロバスト」という言葉をいつ覚えたか思い出せないがよく使うようになったのはエンジニアとして働き出してからだ。robustを英和辞書で引くと「強健な」とか「力強い」といった意味が出てくる。元々の意味はそうなのかもしれないが何らかの障害があったり、時には何らかの攻撃を受けたりしてもちょっとやそっとのことではぶれない、どちらかというと受け身の意味での強さのニュアンスで使われることの方が多い。押しても引いても崩れないようなイメージだ。

ロバストというのは少しくらいの躓きがあっても動じずに突き進む強さである。仕事をする上で最も大事なことの一つではないだろうか。不確定要素の多い中で計画通りに物事を進めるのは簡単ではない。偶発的な障害によって簡単に予定は狂う。2020年の開催が決まった東京オリンピックの準備も傍から見ると東京がやるならうまくやってくれるだろうと思ってしまうがプロジェクトの中心にいる人は気が気でないだろう。何が起こるか分からない中で、何が起こっても平穏無事に開催しなければいけない。まさにロバストであることが求められる。

ロバストな仕事をしようとするときに大事なのはバックアップの考え方だ。重要なポジションを占める担当者が突然辞めても代わりの人をあてがったり、元々予定していた場所を確保できなくても他の場所で代替したり、当初の思惑が外れても最小限の影響で済むように常に次善の策を考えておく。

「電車が遅れたから遅刻しました」とか「予定外の仕事が入ったのでこの仕事は終わりませんでした」とかはありがちな言い訳だがそんなことを言っているようではロバストな仕事はできない。ロバストな仕事をするためにはある程度の障害は想定した上で、バックアッププランを立てておく必要がある。

ただ、どこまで想定しておくかは難しいところだ。原子力発電所のように100年に1度以下の確率でしか起こらない自然災害も想定して設計しなくてはいけないものもあるが、あまりに確率の低いことまで想定して準備をするとロバストさが増す一方で冗長で無駄が多くなる。プロゴルファーは80%くらいの力でスイングすることでロバストさと飛距離の妥協点を見出す。どの仕事においてもロバストさと効率性の最適な妥協点が存在するはずだ。その点を目指して、あまり無駄のない、かつ、ロバストな仕事をしていきたいものだ。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。