定石


何事にも定石というものがあって何かを上達しようと思ったときに定石を覚えることは近道になる。定石はもともと囲碁において各局面で最も効果的と思われている石の打ち方から来ている言葉である。囲碁の定石は完全に理解していなくても覚えているだけである程度強くなることができる。将棋では定跡という字を使うことが多いが、やはり囲碁の定石と同様、局面によって、最善とされる手が存在する。囲碁や将棋だけでなく、ある程度歴史のある勝負事には必ず定石というものが存在する。市場での勝負に勝つためにビジネススクールで教える企業戦略のフレームワークは経営の定石のようなものである。たとえばマーケティング戦略においてProduct(製品・サービス)、Price(価格)、Promotion(プロモーション)、Place(流通チャネル)の組み合わせを考える4Pのフレームワークは定石のようなものだ。スポーツの世界にも定石が存在する。野球でノーアウト1塁のときに送りバントをするといったようなことだ。

どの定石も一朝一夕にできたものではなく、その分野において最前線で戦っている多くの人がいろいろなことを試した上で徐々に出来上がってきたものだ。その道を進んできた人からみたら当たり前のことになっていても初めて学ぶ人が一から考えてそこにたどり着くのは時間がかかる。有り難いことに多くの定石は教科書を通して誰でも覚えることができる。自分ですべてを考えなくても先人の知恵を拝借して近道をすることができるのだ。

しかし、何事もそうだが自分が簡単にできることは他のひとにとっても簡単なことが多く、それで差をつけることは難しい。定石を知っていると初心者の間では優位を保てるかもしれないが、定石を知っているだけでは上級者間の勝負に勝つことはできない。そもそも定石通りの手を打っても面白くない。どうせなら「そんなの定石にはない!」と言われるような一手を打つためにこそ定石を覚えたい。残念ながら、囲碁でもビジネスでも、ほとんどの場合、ゼロベースで一から考えても結局、定石通りに打つのがベストな方法であるという結論に到達する。しかし、状況によっては定石と外れた打ち方の方が有望に見えることもある。そういう手を打っていかないと、本当に強い相手には勝てない。古人の知恵を活かさない手はないが、それを活かしつつも自分の知恵を活かして勝負ができれば楽しい。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。