必要な力


大学の一般入試で課される学科試験で問われることは大学入学までに身につけておくべきことのほんの一部に過ぎないという話を日頃からしている。それでは大学入学までにどのようなことを身につけておくといいのか?各大学・学部それぞれに意見はあると思うが、私も自分なりに考えてみた。研究の世界でも、ビジネスの世界でも、どのような道に進むにしろ、将来、社会で活躍できる人材になるために18歳前後までにどのようなことができるようになっていることが望ましいか?

1. アイデンティティの確立
まずは自分がどういう人間ということを知った上で、自分に誇りを持ち、謙虚さと自信を併せ持ちながら、これから力強く生きていくための基礎づくりができているといいと思う。そのためには、自分の家族、自分の民族、自分の地域、自分の国、自分の宗教、それぞれについて、起源、歴史、文化を客観的に知るということが大切なのではないだろうか?何事をするにしても途中で折れずに最後まで事を成し遂げるためにはまず自分をしっかりと確立しておくことが必要なのではないかと思う。

2. 考える力
特に様々な事象から一定の法則を見出す力、逆に法則を使って見えていないことを推測する力、の二つの力は重要であるように思う。人は言語を使って考えるので考える力を身につけるためには言語の能力が不可欠である。より深く考える力を身につけるためには、数学、論理学も学んでおきたい。さらに応用力を身につけるために物理学、哲学についても学ぶことができればなおよい。

3. 他人とつながるための力
ごく一部の例外を除いて、社会で活躍するためには自分以外の人との協力が欠かせない。他人と協力して成果を出していく上で、コミュニケーション能力は欠かせない。コミュニケーション能力は、他人が言うことを理解して共感する力と自分のことを相手に理解してもらい共感してもらうための表現力からなると思う。ここで重要になるのは言語と表情、それから身振り手振りによる表現力だ。お互いのコミュニケーションの基になる感じる力はもしかしたら各種芸術(絵画、音楽、文学、映画、等)に触れることで養われるのかもしれない。またコモンセンスとして各国・民族・宗教の文化、歴史、地理を知っておくことはお互いに信頼し、つながるために有効だろう。

以上の3点は私の考える最重要のもの。以下の2点は、必須ではないができれば大学入学までに身につけておきたいもの。

4. ツールを使う力
特にコンピュータをツールとして使いこなす力。ネット上の知識を得たり、ネット上でコミュニケーションを取ったり、コンピュータに計算させたり記憶させたりするスキル。もちろん人間とのコミュニケーションほどではないがコンピュータとコミュニケーションを取る力は以前にも増して重要になってきていると思う。できれば大学入学前までに基本的なスキルを身につけておきたい。

5. 専門分野の基礎知識
医学、工学、化学、経済学、法学、ビジネス、コンピュータサイエンス、等の中で興味のある分野があれば基本的な部分だけでも学んでおくことができると大学に入ってからの習得のスピードが変わると思う。

以上、私の全くの独断と偏見である可能性を否定しないが、大学入学までに身につけておくべきことを考えてみた。各大学・学部でも「こうあってほしい学生像」を定義して、それに見合った入試制度をそれぞれ独自の形で実現するようになるといいと思う。そうすることで各大学・学部がそれぞれの個性を発揮して、特徴のある人材を輩出できるようになるのではないか。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。