「暇」の効用
コロナウィルスのせいですっかり自粛ムードになり自宅で過ごしている児童、生徒も多そうだ。最初は学校が休みになってラッキーと思っていた子どもたちも外出もままならない日が続くと次第に暇を持て余すようになる。ごろごろしながらテレビを見たり、すでに何度も読んだ漫画をまた読んでみたり、やり尽したゲームをまたしてみたりする。だんだん飽き飽きしてくるけれど、かと言って勉強するのも面倒くさい。
そんな暇な状態も悪いことばかりではない。たとえばそこにあるものを味わい尽くすようになる。もうほとんど刺激をうけなくなったゲームをやり続けることで自分なりの楽しみ方を工夫するようになる。ゲームがなくても自分なりの遊び方を見つけ出す。それは絵を描くことかもしれないし、ただ単に頭の中でいろいろなことを空想することかもしれない。刺激に対する渇望感があるからこそ、新しい楽しみ方、遊び方を模索する。それが何かを生み出すとは限らないが、自分が本当に好きなことを見つけるきっかけになるかもしれない。
加えて、できることが制限された暇な時間は今まで当たり前だと思っていたことのありがたさを再認識する機会にもなる。学校で友だちと話したり、一緒に昼ご飯を食べたり、校庭で自由に遊んだり、そういった日常を取り戻したい気持ちが強まるにつれて、以前の生活が輝いて見えるようになる。取り戻したときには当面新鮮な気持ちで当たり前の日々を過ごすことができるだろう。失ってみないとなかなかその価値に気づくことはない。
さらに、予定が埋まっていないと自分で何をするか能動的に考えるようになる。習い事や部活でぎっしりの日々だとついこなすだけになってしまいがちだが、できることの制限はあっても空き時間が増えれば、何をするかを自分の意思で決めることができる。
最近はスマホを持っている子どもも多いからそこまでの暇にまで辿り着くのは難しいだろうか。ネット上にいくらでもある無料の新しいゲームや常に誰かが新しいことをつぶやいているSNSがあるとそこまでの退屈さを感じさせないかもしれない。折角だからとことん暇になって想像力豊かに自分で時間の使い方を工夫するようになるとよいと思うのだけれど。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。