センター試験廃止へ


今朝の日本経済新聞の朝刊の1面に「センター試験廃止へ 文科省、複数回の新テスト検討」という記事が出ている。

「文部科学省は5日、大学入試センター試験を5年後をメドに廃止し、高校在学中に複数回受けられる全国統一試験「到達度テスト」(仮称)を創設して大学入試に活用する検討を始めた」(6/5日本経済新聞朝刊1面)

今までもこういった話は何度か聞くことはあったがここまで確定的に記事として出たのは初めてだと思う。最終的にどういう形に落ち着くかはわからないが方向は変わらないだろう。この動きは大いに歓迎したい。

現状のセンター試験は1年に1回しかない。一度失敗してもう一回チャレンジしようと思ったら翌年まで待たなければいけない。失敗までいかなくても今回は自分の実力を発揮しきれなかったと思う人も多いだろう。一浪、二浪して勉強漬けの生活を送るのも必ずしも悪いことばかりではないと思うが最も吸収力のあるときに学科試験の勉強ばかりしているのは少し勿体ない。1年に何度も試験を受けることができれば失敗した人は次に取り返せばいいし、実力を発揮しきれなかったと思う人も点が上がるにしろ、変わらないにしろ、自分の実力はそんなものだと納得しやすい。

年に何度も受けられる「到達度テスト」のようなものができて、その得点がある程度信頼できるようなものになれば、個々の大学はよりその大学らしい選考を行うことができるようになる。「到達度テスト+出願書類+面接」というような形でいわゆる「学力」もある程度担保した上でその大学のアドミッションズポリシーにあった人材を確保することができる。

日経の記事の中で高校関係者の声として「到達度テストの勉強に追われ、部活動など学業以外の活動がおろそかになりかねない」という意見を紹介している。この辺りは大学側の選抜する能力にかかっていると思う。高校時にひたすら到達度テストのスコアを上げることに力を入れてきて、その結果スコアの高い人と課外活動や部活に力を入れてきてスコアがまずまずの人であれば、後者を採りたいと思う大学の方が多いのではないか。選抜のときに到達度テストにどこまで重きを置くかは大学ごとにそのアドミッションズポリシーに照らし合わせて考えればいい。大学の入試制度は日本の10代の若者が何に時間を使うかに大きく影響を与える。入試制度の改革はもしかしたら教育制度の改革より大事かもしれない。「到達度テスト」の導入により、大学の選抜の方法が変わり、中学生、高校生が試験勉強に囚われ過ぎずに将来社会で活躍するための基礎づくりができるようになるといい。


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