テスト「対策」


テストというと学校のペーパーテストを思い浮かべる人が多いだろうか?工場で物を作ったりコンピュータのプログラムを作る仕事をしている人は製品やコードの検査のことを最初に思い出すかもしれない。いずれの場合もテストは特定の時間内に能力を測定したり、抜けがないかをチェックしたりするためにある。

車やPCなどの製品を工場で生産するときプロセスを効率化してできるだけ短い時間で完成品を出荷することが求められる。一方で製品の品質を担保するためには出荷前にしっかり検査することが必要になる。1つ1つの製品を実際にユーザと同じように使ってみるのが確実なテストになるかもしれないがあらゆる使い方を想定してすべての機能を試すのは時間がかかるし、きりがない。したがって、短時間で最大限の効果を生むテストの方法を模索することになる。

大学受験や企業の入社試験のプロセスも効率と質の両方を求めるという点では同じである。大学受験の学科試験においてはせいぜい数時間の試験を課して受験生の能力を測る。当然試験範囲から満遍なく出題することはできず、選抜するのに十分な差がつくような問題を工夫して出題する。AO推薦入試においても多くて2000字程度の志望理由書や長くて30分程度の面接で受験生の能力を測る。企業の入社試験では大学受験よりも時間をかけるが、それでも限られた回数の面接の中で、志願者のポテンシャルを見抜かなければいけない。

車やPCのような製品のテストに比べて人に課すテストの方が難しいのは人の場合はテストに対して対策をしてくる点にある。テストの問題として出やすい範囲に絞って勉強する、面接でよく聞かれる質問に絞って回答を用意する、といった準備ができる。製品のテストであれば毎回同じテストでも正しく評価ができるが人のテストの場合事前にどのような問題が出るのか、どのような質問がされるのかがわかってしまうとその部分だけ対策してしまうので適切な評価ができなくなる。

そのためテストする側も受験する人が対策をしてくることを前提で評価の方法を工夫しなければいけない。ペーパーテストの問題の作成においても面接における質問でも受験者が対策してきたかどうかに関わらず受験者の力を正しく評価できるものでないといけない。対策の方法に近道があるとどうしても受験者はその道を通ろうとする。本質を理解せずにひたすら暗記すると点数が取れたり、活動報告のためだけに行ったボランティアが高く評価されるようなことは望ましくない。

受験する側も安直な方法でテストをパスしようとするのではなく採用側が見ようとしているものに正面から当たるような準備ができるといい。数学において理解しないまま公式を覚えてやり過ごすより本質を理解するように努める方が結局は近道だったりするように正面から当たる方が効果の面でも高いことは多い。AO推薦入試や就職試験においても自己PRのためだけの活動をするより自分が本当にやりたいと思えることを一生懸命やる方がアピール材料になる。

テストする側の工夫とテストを受ける側の心構えによってテスト対策が受験者の本質的な部分での実力アップにつながるようになれば「対策」は双方にとって望ましいものになる。


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