適正価格


フェアトレードといえば一般的には貧困国の商品に適切な価格をつけて先進国で販売するビジネスのことを言う。貧困国で買い叩かずに適正な価格で商品を仕入れ、先進国で適正な価格で販売することで、単なる援助でなく貧困国の自立を持続可能な形でサポートする。貧困国の生産者にとっても先進国の消費者にとっても無理のないwin-winのフェアな取引を目指す。「適正」な価格というのがポイントだ。

海外に行くと現地の人向けの価格と外国人向けの価格が異なることがある。場合によっては、同じ商品なのに外国人が買うと現地の人が買う値段の10倍くらいしたりする。実際に自分が10倍の価格で売りつけられると何だかフェアでないように感じる。しかし、10倍までいかなくても、現地の人が買うレベルよりはるかに高い価格で先進国に住む人に買ってもらうのがフェアトレードの考え方だ。

「適正」な価格というのは難しい。りんご1個の妥当な価格が100円なのか、1000円なのか、売り手のコストだけでは決まらない。売り手が100円以上だったら売ってもいいと考え、買い手が1,000円以下だったら買ってもいいと考えているとき適正な価格はいくらになるだろうか?市場では、売り手と買い手のそれぞれの競合状況や力関係によって、100円と1,000円の間のどこかで落ち着く。売り手の立場が弱いと100円に近づくし、買い手の立場が弱いと1,000円に近づく。買い手の立場が弱く、元々100円に近いところで決着がつきそうなのを1,000円に近づけようとするところにフェアトレードの意義がある。

フェアトレードの考え方は先進国と途上国の間だけでなく、あらゆる取引に適用できる。市場での取引において価格は買い手と売り手の力関係で決まるが、その価格はその社会において必ずしも「適正」とは限らない。買い手の圧力が強くて、売り手の利益がほとんど出ない状態が続くとビジネス自体が成り行かなくなり、結局、買い手も損害を被る。

相手の見える取引では徹底的に買い叩くようなことはあまりない。それは企業間の取引でも人が近所で買い物をする場合でも同じ。ただ企業間の競争が激しくなり、家計が苦しくなると、自社さえよければ、自分さえよければ、という動きになってくる。この動きが進むとビジネス自体が成り立たなくなる可能性がある。自分だけ抜け駆けして得をしようとすると囚人のジレンマ的に結局自分の状況も悪化する。競争自体は悪くないが、ビジネス全体のエコシステムを考慮に入れたフェアトレードの考え方も必要だと思う。


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