楽しい時間の割合
人生の時間の使い方を考えたとき、楽しい時間は長ければ長いほどよく、不快な時間は短ければ短いほどいい。「楽しい」時間というと、スポーツをしたり、ゲームをしたり、友人や家族と談笑したり、といったことを思い浮かべる人が多いと思うが、必ずしもそういったことだけでなく、仕事や勉強、厳しいトレーニングといったことも人によっては「楽しい」時間に入る。厳しいトレーニング自体は嫌でも着実にその成果が出ていることが実感できればそれは「楽しい」時間になり得る。
楽しい時間の邪魔になるのは、肉体的・精神的な痛みや苦しみだ。痛みや苦しみも将来の希望につながるものであれば「楽しみ」になり得る。だから一概に避けるべきものではない。しかし、希望につながらない痛みや苦しみの時間が大半になるような人生を望む人はいないだろう。
人生の時間に占める痛みや苦しみの時間を減らすためにできることがある。それは嫌なことを先延ばしにせずさっさとやってしまうことだ。今、嫌だと思うことを1週間先に延ばすとその後1週間はその嫌なことを思い続けることになる。嫌なことがすでに済んだ後の一週間と嫌なことがまだ終わってなくてそのことが気になっている一週間では前者の方がもちろんいい。
たとえば何か大きな失敗をしたときにそれを報告するのは早ければ早いほどいい。表面化して非難されたり叱られたりするのは苦痛だが、もっと苦痛なのは、非難されたり叱られたりすることを想像したときに感じる憂鬱さだ。非難されたり叱られたりすることによる苦痛はいつでも一緒だが、それを想像して憂鬱になる時間は、それが起こるのが遅くなればなるほど長くなる。
ドストエフスキーの確か「地下室の手記」で読んだが、刑罰の鞭打ちが恐ろしくて、さらに重い刑が課されることを知っていても、その場を凌ぐためだけに看守に暴力を振るって鞭打ちを逃れようとする囚人が後を絶たなかったとのこと。苦痛が目の前にあるとどうしても先延ばししたくなってしまう。しかし、「楽しい」時間を長くしようと思ったら避けられない苦痛は早めに受けた方がいい。
実際の苦痛よりそれを受けたときのことを想像することによる苦痛の方が「時間」で考えたときのインパクトは大きい。人間は想像力豊かなところがあり、苦痛を想像するだけで胃に穴を空けることもできる。豊かな想像力によって作られる苦痛に比べれば、実際の苦痛はそれほどでもないことが多い。さっさと受ければその分人生の中で「楽しい」時間の割合が増える。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。