新政権に望むこと


日曜日の衆議院選挙で自民党が圧勝し、来週にも第二次安倍晋三内閣が発足する。前回の安倍政権は正直期待外れだった。早くから小泉政権の後継と目され、小泉首相の予定通りの退任に伴い、満を持して登板したものの、造反議員の復党や閣僚の失言などで支持率は下がる一方で最後は健康も害してちょうど1年で辞めてしまった。そこまで国益を損なうことではない問題に対し、マスコミが大きく取り上げ、それに対して、自らの報酬を返納したりしながら謝罪ばかりしていたような印象がある。5年以上続いた小泉政権の後、引き続き長期政権を敷いて改革を続けていく条件が揃っていたにも関わらず、途中で投げ出してしまったのは、期待が大きかっただけにとても残念だった。安倍政権の後、福田、麻生、鳩山、菅、野田と首相が1年毎に替わる悪い流れを作ったことを安倍氏一人のせいにするのは酷ではあるが責任は重い。

現首相である野田佳彦氏は条件の悪い中、しぶとい政治をしてきた。「近いうち」の解散を条件に社会保障と税の一体改革関連法案を可決させ、さらにもう一度、2日後の解散という自民党を試すような条件を提示しながら、次期通常国会での議員定数削減とそれまでの議員歳費削減を自民党に確約させた。前回の選挙で掲げたマニフェストの内容をほとんど実現できなかっただけでなく、外交や震災後の対応で頼りなさを露呈した民主党が今回の選挙で壊滅的な打撃を受けたのは当然だが、民主党政権3人目の首相である野田氏は手の内にほとんど残っていない有効なカードを最大限に活用したのではないか。支持率の下がる中、また、選挙での惨敗が予想された中でも、自分にできることを淡々と進めた胆力には見習うべきところがある。

来週にも発足する安倍政権は前回以上に改革を進める条件が揃っている。何より前回は小泉政権が勝ち取った議席を禅譲されたような形であったが、今回は、安倍氏が党総裁として自分の主張をした上で選挙において勝ち取った議席だ。自ら考える改革を進める大義名分と義務がある。国民の声を聞くことは大切なことだが、世論や支持率を気にしすぎず、やるべきことを淡々と進める胆力も大事だ。自らの報酬のカットも考えなくていい。考えるべきことは日本にとって何がよいか、ということ。是非、前回の反省を活かし、長期政権を敷き、諸外国と良好な関係を保ちながら、行うべき改革をどんどん実現してほしい。


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