志望理由書作成の肝(10)構成と要素⑥ その大学学部の必要性


その大学の4年間で何をどのように学ぶつもりなのかを伝えることが自分にとってその大学学部の必要性を示すことにつながるが、可能であれば他の大学学部でなくてなぜそこが一番いいと考えるのかを明示的に伝えたい。その大学学部にしかない授業やカリキュラムがあればそれも理由になるかもしれないし、教授の名前を挙げることでその大学に行きたい理由を説明することも可能だろう。

学びの形も大学によって異なるのでその大学を選ぶ理由になり得る。少人数制、ディスカッション重視、教員との距離の近さ、ゼミの充実、プロジェクトの活用、等、それぞれの大学ごとに学びの形は変わる。

その大学にどのような学生が集まっているか、ということも自分の学びに大きな影響を与えるのでその大学を志望する理由になり得る。ある分野に強い学生が集まっているのか、それとも、様々な分野で活躍してきた多様な人材がいるのか、自分が大学に求めるものによってどちらがいいか変わってくる。文化的に多様なバックグラウンドを持った人が集まっているか、モチベーションの高い学生が集まっているか、そのあたりを大学選びの条件にする人もいるだろう。

その大学が掲げる理念もその大学を選ぶ理由になる。学生の自主性を重んじている大学か、それとも面倒見のよさを重視している大学か。理念については大学が言っていることをそのまま信じるのではなく、実際にその理念のもとに運営がなされているかどうかも確かめたい。

気をつけなければいけないのは皆にとってメリットのあることでなく、自分にこそ必要な理由を書くべきということだ。自分にこそ、その大学学部が必要で、自分がその大学学部に入れば他の人以上にその環境を使い倒すことができることを伝えたい。大学側がWebサイトやパンフレットで喧伝していることを並べるだけでは他の人と差別化できる志望理由としては不十分ということだ。

以上のような形で、他ではなくその大学学部がよい理由を伝えられるとよいが、厳密さがそこまで求められているわけではない。早稲田でなくて慶應を目指す理由をロジックでがちがちに固める必要はないということだ。多くの人はどちらもよいけれどどちらかというとこちらの大学の方がよい、という程度で考えているし、大学側がそれでは不十分と考えているとも思えない。最終的にはロジカルにその大学学部の必要性を言えるかどうかより、自分にとってその大学学部が1番であることが自然な形で(何となくでも)伝わるかどうか、の方が重要になる。


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