7教科9科目


東京大学が2025年度の一般選抜および学校推薦型選抜において大学入学共通テストの「情報」教科を必須とするとの発表があった。これまで学習指導要領の変更に伴い、従来の社会が地理歴史と公民に分かれて、教科数が増えたことはあったが、実質的に新しい教科が必須のものとして加わるのは1990年のセンター試験導入以降初めてのことだ。一般選抜でも学校推薦型選抜でも文系で地理歴史、公民から1科目ずつ選ぶ場合は、7教科9科目の受験が必要になる。

東大の2023年度一般選抜の要項はすでに公開されているが、それによれば共通テストは文系だと5教科8科目または6教科8科目、理系だと5教科7科目の、いずれも900点満点の点数が110点に換算される。東大独自の個別学力検査440点満点の試験と合わせて合計550点満点で判定される。共通テストと個別学力検査の点数の割合はセンター試験導入以来変わっていない。

文系でも理科、理系でも社会科目を受験する必要があるがその点数の割合はあまり高くない。いずれも共通テスト900点中の100点で、その900点が110点に換算されるとき、理科あるいは社会の点数はわずか12点程度になる。最終の550点満点の2%に過ぎない。そこまで割合が低いと完全に捨てて他の科目に注力するという戦略を取ってもよさそうに思うがおそらく多くの受験生はそれなりの準備をしている。私自身も理系だったがセンター試験のために世界史の勉強をした。理系科目や英語の勉強に比べてそこまで時間をかけたわけではないが、振り返ってみて世界史をまとまって勉強する機会があってよかったように思う。もちろん入試の科目になくても高校で一通りのことは学ぶのだがたとえ数%の配点であっても入試に含まれるかどうかで力の入れ方は変わる。

東大の2025年度入試について得点の換算等は改めて公表するということだがおそらく「情報」教科の配点は最終得点の数%になると予想される。それくらいであっても東大を目指す受験生は意識せざるを得ないし、おそらく多くの人はそれなりに準備するだろう。「情報」教科の必修化に100%賛成するわけではないが、東大を目指す受験生が全員「情報」を意識する、というのはそれはそれで面白い試みだ。7教科9科目の受験は大変だが、科目数を絞って受験者数を増やそうとする動きよりは健全であるように思う。


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