未来の自分に対する気遣い
昨日の自分と今日の自分は同じようで少し違う。1年前の自分と今日の自分はもっと違う。外界からの刺激や内面での活動によって人間の脳は日々物理的に変化している。新たな記憶がどんどん蓄積されていくのと同時に、これまでの記憶は整理されたり失われたりする。脳内の神経ネットワーク自体が変化する中でそれぞれの人の人格がある程度維持されていることの方が不思議なくらいだ。
理性によって昨日の自分と今の自分の連続性は保たれているように感じるが実際のところ日によって感情も考え方も変わる。明日の自分は今の自分と違う人になる。そう捉えると明日の自分に対する考え方も変わってくる。今の自分がやりたいことを最優先して、面倒なことは今の自分とは別の明日以降の自分に委ねることもできる。明日のことは明日考えればいいと思うかもしれない。ただ、自分と他の人との間のようにちょっとした思いやりや気遣いがあると明日以降の自分とも円滑な関係を築けるように思う。
明日の自分はちょっと忙しそうだから今日のうちにできる準備をしておこう、とか、明日の訪問先までの電車の時刻を調べておこう、とか、ちょっとしたことであっても明日の自分の手助けができると明日の自分に少し余裕ができる。余裕ができた明日の自分はその次の日の自分のために何かしてあげられるかもしれない。もっと先の自分に対しても、たとえば1年に1度しかやらないようなことでも労を厭わず、面倒な作業の手順を丁寧にメモに残しておけば1年後の自分は有難く思うだろう。他の人が理解しやすいように書くソフトウェアのコードは他の人以上に自分のためになる。
過去の自分が残したものに助けられた経験があれば、未来の自分に役立つものを残そうという気になる。自分が受けた善意を他の人につなげようとする、“Pay it forward”的な考え方が自分の中だけで完結する。自分の中だけでも”Pay it forward”ができれば、自分自身に対する感謝や尊重の気持ちが生まれ、ひいては自己肯定感にもつながる。さらに言えば、今の自分だけでなく未来の自分のことを考えて行動できるようになれば他の人のためにも行動できるように思う。未来の自分への気遣いは他の人に対する気遣いとそこまで変わらない。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。