総合型選抜と就活
大学受験の総合型選抜の話をすると、それって就職活動と同じですね、と言われることが少なくない。実際、かなり似ているところもある。これまでどういうことをしてきて、これからどういうことをしたいと思っていて、なぜその大学、あるいは、企業が今後の進路として最適だと思うのか、ということが問われる。いずれも自分こそ、その大学、あるいは、その企業にふさわしい、ということを自分のこれまでとこれからのことを伝えながら主張していく。主に書類と面接を通してマッチングが確認され、必要な知力があるかどうかが小論文や適性検査で確認される。
似ているところが多いが異なるところもある。大学は私立であっても公的な役割が求められており公平で透明性の高い選考が求められる。浪人生や女子に不利な選考を行うと批判を受けるし裁判にも負ける。詳細な募集要項を公開し、審査の内容や基準も明確にした上で選抜を実施する。それに比べて企業はより自由な採用をする。法律で公平な雇用は義務付けられているものの、選考の基準はブラックボックスで外部の人にはわからない。男性あるいは女性のどちらかを優先して採用しているかもしれないし、学歴で判断されているかもしれないし、場合によっては顔写真で判断されるようなこともあるかもしれない。企業にとって重要なのはその企業で成果を上げることのできる人材を採用することで公平かどうかはそこまで重要ではない。日本有数の起業家かつ経営者である永守重信氏は、かつて、声の大きさ、食事のスピード、時間を守ること、の3つの基準で人を採用していたという。声が大きい方ではなく、食べるのも速くない私が入社試験を受けていたら間違いなく不採用だが、その理由はわからないままだったかもしれない。
必ずしも公平でない分、就職活動の方が、不採用を受け入れやすいかもしれない。自分に合っていなかっただけと思いやすい。大学受験の総合型選抜は審査に公平さが求められる分、不合格になると自信を失いやすい。総合的な自分で勝負するので尚更だ。ただ、マッチングの重要性、という点では大学受験の総合型選抜も就活も大きく変わらない。周りに万能型でたくさん合格や内定をもらう人がいると落ち込むこともあるかもしれないが、より大事なのは自分に最も合うところを見つけてそこと相思相愛の関係になることだ。完全なマッチングが1つあればそれで必要十分、というのは総合型選抜でも就活でも共通する。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。