活動報告は実績そのものよりもストーリーが大事


2021年度の大学入試改革を待つまでもなく、主要五教科の学力以外の部分を評価する入学試験が広まりつつある。そういった入試においては英数国理社の勉強以外に頑張ってきたことを「活動報告」としてアピールできることが多い。スポーツ、音楽、ボランティア活動、国際交流、等、学校の勉強以外に頑張ってきたことは人それぞれだから一律に評価されるわけではなく、アピールの仕方の自由度は高い。資料を添付できることも少なくない。

多くの人が勘違いするのは活動というからには何かすごい実績を書かなければいけないのではないかということだ。実際には多くの高校生にはそこまですごい実績があるわけでもないし、そこまで結果が大事なわけでない。一芸入試的に飛びぬけた何かがあるから合格させるというところはむしろ少数派で、多くの大学では実績そのものよりもそこに至るプロセスの方が大事になる。何も考えずに身体能力だけで全国大会に出るよりも、あらゆる工夫をした上で県大会敗退の結果に終わる方が評価の高い可能性がある。

活動の項目数が多ければよいかというと必ずしもそのようなこともない。出願書類の書式としてはどうしても何年何月に何をしたかということを表の形で書かせることが多く、何行埋めることができたかは気になる。ただ、そもそも活動の単位が決まっているわけではなく、あることをしたときにそれを1つの欄を使って書くか、複数の欄に跨って書くかは受験生の主観に委ねられる。また、当然ながら同じ1行でも内容によって評価は大きく異なる。

全く同じ活動であっても評価が異なることもある。たとえば、それが自分の考えで行ったものか、それとも与えられた活動なのかで印象は大きく異なる。高校で全員が参加する留学プログラムは、自分自身で切り開いた留学ほどの価値を認められない可能性がある。ボランティア活動も自分から進んでやっていることと高校の教育プログラムの一環として自分の意思に関わらずやっていることでは、そもそも後者の場合はボランティアと言えるかどうかも微妙で、評価は異なるだろう。塾がAO推薦入試の受験生のために行うツアーのようなものも有効性は疑わしい。自ら考え活動する人を求める入試においてお仕着せの活動は響かない。

これまで何に力を入れてやってきたかということを示す活動報告書はその人の世界観を表す上でとても重要だ。インターハイ出場、コンクールでの受賞、留学の経験、いずれもこれまで頑張ってきたことの証になる。ただ、活動そのもので評価するというより、その人の世界観を知るための一つの要素という意味合いが強い。他の志望理由書や自己推薦書のような書類と合わせることで自分の世界観を伝えられるような活動内容をアピールできるといい。


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