1問1答形式の弊害


洋々では大学受験や就職活動で課される面接で自分のことをしっかり伝えるためのサポートを実施しているがいずれの場合も想定問答集のようなものは作らない。1問1答形式で準備していても想定した通りの質問が来るとは限らないし、仮に想定していた質問をされたとしても覚えている回答を伝えるだけだとコミュニケーションがぎこちなくなり却ってマイナスの評価を受けかねない。面接官とスムーズなコミュニケーションを取るためには点で準備するのではなく面で準備する必要がある。1つ1つの質問の回答をたくさん考えておくというよりは自分を表現する1つの大きな塊のようなものを作っておいてその塊の中から質問に応じて回答をその場で作りだすようなイメージだ。

面接の準備においては1問1答形式で準備することの弊害を確信しているが学科試験においても1問1答形式で覚えることには同様の弊害があり得る。大学入試や高校の定期テストで1問1答形式の問題が出る場合はその準備としてその形式で覚えていくのはある程度やむを得ないことであるがそれだけではその科目を習得したとは言い難い。面接と同様大きな塊として理解しておいて、点で聞かれたらその中から点を取り出して答えられるようになるといい。たとえば歴史の勉強で大事なのは大きな流れをとらえることで日本史で言えば縄文・弥生時代を経て徐々に国家ができた頃から現在の日本まで連綿とつながる流れを理解したい。1877年に士族が西郷隆盛を立てて起こした乱の名前を「西南戦争」として覚えることよりも、明治維新の立役者である西郷が新政府を打ち立ててから10年足らずで西南戦争の中心にならざるを得なかった背景を知ることの方が重要だ。

一方で面を作るための手段としてであればまずは1問1答形式で覚えるのも有効なことがある。初めは意味も分からず点で覚えるだけでも、点の数を増やしていくことで徐々に全体像を掴めることもある。結果的に面での理解につなげられるのであれば初めは1問1答形式で覚えることから始めるのも悪くない。ただ、その場合も覚えること自体には意味がないことを認識しておきたい。目的が記憶力選手権やクイズ選手権で勝つことでなければ1対1対応で覚えることは面で理解するための手段でしかない。

面接でいい評価を受けようとしたり、テストでいい点を取ろうとしたりすると、どうしても直接的に役立つ「対策」を考えてしまいがちだが、実際にはそこで本質的に求められていることを準備する方が効果的だ。時にはテスト「対策」をしてテストで聞かれる部分だけ「点」で準備する方が短期的にいい結果につながることもあるかもしれないが、それは安全でない車を無理矢理、車検で検査される項目だけ調整してパスさせるようなものだ。検査の内容を考えずに安全を目的として整備をした上で車検を受けるというのが正攻法で本来の目的にも適う。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。