リアル店舗の苦境


家電量販店最大手のヤマダ電機が苦境に立たされている。先月46店舗閉鎖したのとは別に今月末にも11店舗閉鎖するという。2011年に2.2兆円あった売上高は2015年3月期には1.7兆円にまで落ち込んでいる。私にも身に覚えがあるのだがリアルの店舗で実物を見て回った上でネットで型番を調べてより安いものがあればネットで買ってしまう。商品を展示して説明要員を配置するコストを考えるとリアルの店舗を持たない店と価格で勝負するのは厳しい。本来は店で商品を見たり店員に商品を説明を聞いたりすることに対して料金を取りたいところだろうが入場料を徴収するわけにもいかずなかなか難しいところだろう。

書籍も似たようなところがあり本屋で立ち読みして内容を確認した上でamazonで注文することがある。本の場合は価格の要素よりもその場で買うかどうか決めずにwishlistに入れて後で注文したり、まとめて買うと重くて大変だからその場では買わない、とかいろいろな要因があるが、私自身の購買履歴を振り返ると本屋にいる時間はそれなりに長いのに実際に買う割合はネットの方が圧倒的に高くなっている。本の場合は需要自体が減っている面もありどこまでがネット書店の影響かはわからないがここ10年、リアル書店の数は減り続けている。

このまま家電量販店や書店は縮小し続けるのだろうか。あまり減り続けると実際に商品を見たり、本の中身を見たりする場が近所になくなってしまうかもしれない。それぞれの消費者が経済的に合理的な判断をして行動した結果、より不便な状態に陥ることになりかねない。

ネットでのショッピングは価格だけでなくリアルにはない便利な点も多く、反対するつもりはないし、無理に控えようとも思わない。しかし一方で実際に商品をチェックしたり立ち読みをしたりしてその価値を享受している場合は、その店に対してその対価を支払うのがフェアであるように思う。店頭で価格.comの画面を見せてネットでこんな価格で売っているよと言ってぎりぎりまで価格の交渉をするのではなく、丁寧に商品の説明をしてくれた店員にチップを渡すつもりで最安値より少し高い価格で妥協する、といったこともたまには必要なのかもしれない。本屋で長時間立ち読みをしたら何冊か買って帰る、というようなルールを決めるのもいい。ネットは便利だがネットだけだと不便なことも多い。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。