学習や教育を取り巻く環境の変化 2015


今年はいよいよ東京大学の推薦入試と京都大学の特色入試が始まった。慶應湘南藤沢キャンパス(SFC)で1990年にAO入試での募集が始まってから25年になる今年は日本の大学受験において節目となる年になるかもしれない。まだまだ人数自体は少ないし、これまでの後期試験同様マイナーな存在で終わる可能性もなくはないが、今年、国公立大のAO推薦入試の実施大学数が過去最高となったり、国立大学協会がAO推薦入試の割合を入学定員の3割に拡大する方向で改革を推進するという話もあったりして、今後の10年で大きく変わっていきそうな予感はある。

中央教育審議会による大学入試改革についての議論も着々と進んでいるようだ。2020年度に導入予定の新テスト・大学入学希望者学力評価テスト(仮称)について、10月の内閣改造で新たに就任した馳浩文部科学大臣が「先送りも示唆」したという報道もあったが、つい先日、12/22には記述式問題例が公表された。標準試験的なものにここまでしっかりした記述式問題を課してオペレーションは大丈夫かという心配はあるが当面は推移を見守りたい。

入試関連の話題では英語の外部試験採用の動きもさらに広がった。英語の試験については大学学部毎に手間暇かけて独自問題を作るほどのことではないと思うのでこの動きは悪くないと思う。TOEFLなど特定の試験だけになるのは心配だがいくつかの選択肢を提示してそのうちのいずれかを受験生が選べるようになれば一般的な英語の試験として大学が独自の問題を作る意味はほとんどなくなる。

大学入試制度改革や少子化に伴い、従来の塾予備校の講義型授業の需要は今後縮小することが予想される。そこに危機感をもった教育系企業が多いせいか今年も新興国を中心に世界的に成長する教育関連市場に打って出るという話題が多かった。学習塾がアジアでのビジネスを拡大するというニュースもあれば商社が新興国の教育サービス企業に投資するというニュースもあった。因みに文部科学省も日本の学校教育の仕組みの輸出を考えているという。

従来の塾予備校が事業の多角化を目指し、学童保育へ参入するという話題も目立った。「小1の壁」と言われるように学童保育については大々的に事業を行う企業もほとんどなく手薄な分野だった。今年は流通大手のイオンなど異業種からの参入も相次いだ。学童保育以外でも受験とは直接関係なく小学生に英語やプログラミングを教える事業も広がりつつある。

従来型の授業からの脱却という意味では、昨年に引き続きテクノロジーを活用した教育についての話題も多かった。スマートフォンを使って勉強するというアプリもだいぶ広まってきた感がある。様々な業界でビッグデータの人工知能による分析が採り入れられている中、教育分野でも、単に学習させるだけでなく、問題を解く速さや間違い等のデータからユーザーに合わせて適切な問題を出すような人工知能っぽい仕組みのある教材や習熟度によって教材を自動配信するようなアプリが出てきた。学習履歴データを分析して成績のよいユーザーの学習方法を薦めるようなサービスもあった。

洋々が現在行っているAO推薦入試受験準備のサポートは今後ますます重要性を増すことが予想される。引き続きその分野で最も価値の高いサービスを提供しながら、社会の変化に応じて我々の果たすべき役割を見極め、必要な場合は新しいテクノロジーも採り入れ、迅速に新しいサービスを提供していきたい。2016年は社会にさらなる価値を提供できるように頑張ります。


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