オートパイロット
「プラトー」というテーマで前回の記事を書いたが、次の飛躍の準備段階としてではなく、ただの停滞状態であるプラトーから抜け出せないときは、自分の脳がオートパイロット状態になっていないか確認するといい。飛行機の離陸時には人間のパイロットが風の状態、機器の状態、等に万全の注意を払いながら操縦する。しかし、安定飛行に入った後は、基本的に自動操縦となる。人間の脳もあまり変化のないことを行うときは活発でなくなりオートパイロット状態に入る。
ここでいうオートパイロット状態とは、集中しなくても物事をこなしているような状態のこと。元から自分ができることを繰り返すような状態。もちろんそれまでに蓄積したものがあればオートパイロット状態でも社会に対して付加価値を出すことはできる。腕の高い料理人はオートパイロット状態でも顧客を喜ばす食事を提供できるはずだし、優れた音楽の演奏家も自分に大した負荷をかけずとも聴く人を感動させることができるだろう。バスのベテラン運転手はそこまで自分にプレッシャーをかけなくてもいつものルートを安全に回ることができる。いつもの持ちネタを使って毎回観客を笑わせることができる芸人もいる。食べていくためには十分すぎる技能を持った人は他にもたくさんいるだろう。そういった人は、オートパイロットでも付加価値を出して悠々と生きていくことができる。それはそれでいい人生かもしれない。
しかし、もっと成長しようと思ったときにはオートパイロット状態から抜け出す必要がある。新しい刺激がないと今までと同じレベルのことをこなすことはできても、新しいことを学ぶことはできず、成長できない。成長を望むのであればオートパイロットはやめて自分に負荷のかかるような状態を作らなければいけない。
オートパイロットが脳にとって楽であるためか、何かを学習しようとするとき、ややもすると脳はオートパイロットモードに入ろうとする。勉強をしようと本を読んでいてもいつの間にか字面ばかり追っていて頭の中に入ってこない。マーカーを使って参考書に線を引いていてもいつの間にか機械的に引くだけになりやはり頭の中に入ってこない。覚えるべきことを鉛筆で書き写していてもやはりいつの間にかただ作業をしているだけになっている。
長時間勉強しても効果の出ない場合は自分の脳がオートパイロット状態に入っていないか疑ってみるといい。特に本に線を引いたり、書き写したりする方法はただ作業をこなすだけになりオートパイロットに入るリスクが高いので要注意だ。自分の脳が活発に動いているかどうか、ということを時折客観的に評価するだけでもだいぶ違う。意識的に脳のいろいろな箇所を刺激できるようになるといい。長時間のオートパイロット学習より、短時間でも脳を活発に動かす学習の方が効果は高い。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。