勉強は何のために
学校の勉強を何のためにやるのかわからない、と思っている人は多いだろう。私もたとえば漢文をなぜ学ぶのかよく理解していなかった。今考えると浅薄極まりないが当時は漢文を書き下して理解するやり方を学ぶよりも現代中国語をそのまま習う方が役に立つのではと考えていた。役に立つ、という意味では実際もしかしたら中国語の勉強をしていた方が役に立っていたかもしれない。ただ、日本人として母語を理解するという意味で漢文を勉強しておいてやはりよかったと思う。日本人は長い時間をかけて試行錯誤しながら漢字を採り入れて自分たちの言語を作り上げてきた。漢文訓読はそのプロセスの中で重要な位置を占めている。口語体で書かれる今の日本語では直接的な影響を感じることは少ないが森鴎外や中島敦の格調高い文章を読むと日本語のベースに漢文があることを実感する。中国語を表面的に理解することよりも母語のルーツを知りその理解を深めることの方が大事だと今では思う。
漢文に限らず中学高校のカリキュラムとして用意されている教科・科目は厳選されたものになっている。10代の青少年にどのような教育を施すか、ということには国の命運がかかっているといっても過言ではない。総授業時間は有限で無駄な学びが入る余地はあまりない。もちろん今ある教育の形がベストとは限らないし、これからも改善が続くだろうが、今の日本における中学高校での教育の内容は概ね妥当なものだといっていい。
漢文と同じで役に立つか、という観点だけだとその意義が見えにくいことは他の科目でもある。算数のかけ算とか割り算が日常的に役に立つのに比べて、高校で習う抽象度の高い数学がどのように役に立つのかはわかりにくいかもしれない。でも実は数学はあらゆる思考のベースになり物事を理解することに役立つ。社会現象でも自然現象でも数学の発展によって人間が理解できることが格段に増えた。学びには今想像できる形ですぐに役立たなくても、物事の理解を深め、より深い洞察につながるものがある。
それぞれの科目の勉強をするにあたり何のためにこれをやっているのか、この科目を学ぶことの本質はどこにあるのか、ということを考えるとその科目に対する興味が深まるかもしれない。学ぶ意義がすぐにはわからない科目ほど深遠な意味が隠されている可能性が高い。その科目の本質を理解することはその科目の定期テストでいい点を取ることよりも重要で自身の真の力を養うことにつながる。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。
