お墨付きは不要


総合型選抜では出願書類に取得した資格を書く欄があることが多い。そういう欄があると何か資格を取っておきたくなるが、頑張って取得してもそれがどれくらいプラスに働くかは取る資格によってまちまちだ。英語をはじめとする語学の資格は有効なことが多い。英語の場合は、英検、TOEFL、IELTS、いずれもどの級やスコアがどれくらいの実力かを把握している大学関係者が多いし、ドイツ語、フランス語などのメジャーな言語を習得しているとそれなりに高く評価される印象がある。文学部や外国語学部で評価されるのはわかるが、語学の能力が学問の本質とは関係ないように見える学部でも重視されるのは近代以降学問において欧米の進んだ知見を採り入れるために語学力が重要だったからだろうか。いずれにしても語学の資格、特に英語の資格があると日本の大学受験においては有利になることが多い。

一方で語学以外の資格の有効性は微妙だ。まず世の中にあるほとんどの資格はその内容や難易度が一般には知られていない。書類を審査する人は知らない資格が書いてあったとしてもそれについていちいち調べたりはしない。知らない資格が書いてあったら、そういうことに興味を持っている人、という認識をする程度だろう。たとえば百人一首についての資格があったとしてその資格を持っている、ということと、百人一首が好きでそれぞれの歌について勉強してきた、ということと、受け手の印象はあまり変わらない。むしろ、資格とか関係なしに自分で勉強してきた、という方がその人の関心の深さが伝わりやすくなるかもしれない。

比較的受験者数の多い漢字検定や数学検定も総合型選抜でどこまで評価されるか微妙なところだ。もちろん資格のための勉強は悪いことではない。適度な目標になりえるし、その目標に向かって勉強することで自分の能力を開発することができる。ただ、水戸黄門の印籠のような役割はあまり期待しない方がいい。資格を取得することで誰かのお墨付きをもらおうとするのではなく、自分の興味関心や目標に沿って自分が必要と思うことをやっていけるといい。その中で活用できるものがあれば資格取得も検討すればいい。


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