なぜ志望理由?


大学受験の総合型・学校推薦型選抜では出願書類として志望理由書の提出を求めることが多い。面接でもっとも頻繁に聞かれる質問も志望理由である。受験生の能力や適性を見極める方法は志望理由を聞くこと以外にもいろいろあるので志望理由の優先順位が高いことは自明ではない。実際多くの大学学部では、志望理由書以外に活動報告書を提出させたり他のテーマでエッセイを書かせたりしている。面接でも志望理由以外にもこれまでやってきたことや大学入学後にやりたいことなど様々なことを聞く。プレゼンテーションを求めたり、グループ討論を実施したりすることもある。なぜ様々な評価方法がある中で志望理由が問われる頻度が最も高いのだろうか。

ただ単に能力が高い学生を採りたいということであれば志望理由は必要ない。たとえば、論理的思考力、コミュニケーション能力、協調性、社会性、といったことを評価するためには、小論文やグループ討論を課せば事足りる。学力は高校の成績や英語の資格である程度判断できるし、それを見たいのであれば共通テストを利用してもいい。

志望理由を重視しているということは能力と同等かそれ以上にマッチングを重視しているからだろう。受験生がこれから学びたいと思っていることと大学側が提供していることが合っているかどうか。その大学学部で学ぼうと思っていることが、その大学学部で提供しているものでカバーできるかどうか確認される。日本の大学はほとんどが学部毎の募集なので、志望理由はなぜその大学なのかよりも、なぜその学部なのかという意味合いの方が強い。その学部の学びの内容を正しく理解した上で応募しているのかどうか。

端的に言えば学びたいこととそこで提供されていることが一致しているかどうか、ということがマッチングだ。ただ、そこには何をどのように学びたいのか、なぜそれを学びたいと思ったのか、その学びを大学卒業後にどのように活かしていきたいのか、という問いが必ずついてくる。つまり、その人の世界観を表現するようなストーリーが必要になってくる。なぜその大学学部での学びが必要なのか、に答えようとすると、大学での学びを中心として、その人の過去、現在、未来をすべて伝えざるを得ないのだ。その人はどういう人で、なぜ今その大学学部を受験しようとしているのか、それを1つの問いで確認できるので志望理由を聞く大学が多いのだろう。


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