エコポイント


昨年末の日本経済新聞の真相深層というコラムでエコポイント制度に疑問を呈していた。エコポイントのおかげでテレビの売上は大きく伸びたが、需要を先取りしただけでその後の急激な落ち込みによって却って家電業界を苦境に陥らせる大きな原因になったのではないかというのだ。

ダニエル・ピンク氏は「Drive」という本で、何かをしてもらうのに褒美で釣ると長期的にはかえってモチベーションを失わせる、と主張する。今まで褒美なしでも頑張れたことに対して一度でも褒美を渡すと逆に褒美なしだとやる気がなくなってしまう。元々楽しんでパズルを解いていた人に、パズルを解くことに対して報酬を渡すようにすると、報酬なしではパズルを解かなくなる。

エコポイントも褒美のようなもので一時的に売上を増やすことには成功したが、逆にエコポイントなしで家電を買うモチベーションを下げたのではないか?住宅ローン減税とかも同様だが、短期的に景気を刺激するような策はあまり長いことをするとそれを止めたときの反動が大きく、長期的に見るとマイナスの効果の方が大きいのではないか?

風邪を治す薬はないと言われている。熱を下げたり、咳を抑えたりするような薬はあるが、それらは短期的に症状を緩和するだけで根本的に風邪を治すわけではない。むしろ体が本来もっている免疫反応を弱めて治癒にかかる時間を長引かせることさえある。もちろん一時的にでも症状を緩和する必要がある場合もあるが多くのケースでは風邪の治療に薬は必要ない。

自民党が衆議院議員選挙で大勝して以来、先週末までの1カ月弱の間に日経平均株価は1割以上上昇した。安倍政権は今まで野党の間に温めてきたであろう政策を矢継ぎ早に発表している。3年間の民主党政権の失政のせいで頼もしく見えてしまうところもあるが過去の自民党政権の失敗は繰り返さないでほしい。家電業界の業績が急激に落ち込んだのは民主党の政権下ではあるがその原因を作ったかもしれないエコポイント制度は自民党の麻生政権のときに始まった。返済を猶予したり、補助金をつけたりして、一時的に症状を緩和しても問題を先延ばしにするだけで問題の解決になるどころかむしろ問題を大きくする。今の安定した政権基盤は思いきった長期的政策をとるのに適している。政権が不安定になりあっぷあっぷして短期的な刺激策を次々と出して経済状況をさらに悪化させる前にまずは長期的にみて必要な政策を静かに実現しておいてほしい。


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