次のWindowsに期待すること


マイクロソフト社のWindows XPのサポート期限が4月に迫っている。サポートが終了するとセキュリティ更新プログラムが提供されなくなるので、安全性を考えると使いにくくなる。そもそも発売して10年以上経つのに未だに更新プログラムが必要なことも問題だし、今まで快適に使ってきたシステムのサポートを止められて無理やり新たなものを買わされるという感覚もある。

さらに今新しくPCを買うと基本的に今までと大幅に仕様の変わるWindows 8になるというのも困る。PCを使う人の多くはWindowsの普及によるメリットを受けているし、マイクロソフトが生み出す付加価値に対して対価を支払うことでそのビジネスが健全に成長することは私たちにとっても基本的に望ましいことだと思う。だから、スピードや安定性の向上、セキュリティの強化、新しいデバイスへの対応に対して、対価を支払うことに吝かではない。しかし、必要のない機能の追加に対して支出を強いられることには少し反感を覚える。

OSだけでなく同社のオフィス製品も同様だ。さらなる成長のために新しい付加価値をつけようとする努力はわからないでもないが余計なものばかり増えて本質的な部分はあまり進化がないように見えてしまう。イノベーションを生み出すのは簡単ではないし、毎回、画期的な新製品が出てくることを期待するわけではない。むしろ、本質的な部分に特化して地味な改善を積み上げてもらいたいと思う。問題は、マイクロソフトの場合、イノベーションがなくても新しい製品を買わせる力があるということだ。Windowsでしか使えないデバイス、Windowsでしか使えないアプリケーション、Windowsに関連する自分の知識・スキル、等、今まで蓄積してきたWindowsに纏わる資産を捨てるのが惜しくて、ユーザとしてもなかなか他のOSに移りにくい。それを知っているから、必要な改善が一通り終わって、これ以上の改善の余地がない中で、しかも、イノベーションを生み出せていない状況でも、事業の規模を維持するために、本質的でない変更に力を入れているように見えてしまう。

しかし、もちろんマイクロソフトも安泰ではない。一時は高いマーケットシェアで安泰と思われたモバイルOSやブラウザでも急激にシェアを落とした。多くの作業がデバイスに関係なくクラウド上でできるようになり、OSやオフィス製品についてもスイッチングコストはかなり下がってきた。そもそも今の形のPCが今後どれくらい残るのかもわからない。30年間近く続いてきたマイクロソフトによるOSの支配はタブレットの普及によってすでに崩されつつある。そのまま崩壊するのか、ここで盛り返すかどうかはWindows 8の次にかかっている。是非、次は、スピード、安定性、セキュリティ、デバイスの接続に絞って開発したシンプルなOSが出てくることを期待したい。


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