6対4


お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志氏が結婚する数年前に本か雑誌かで自身の結婚しない理由について述べていた。その理由はよく覚えていないが、面白かったのは、6対4という表現だ。結婚したくないというのが6、結婚したいというのが4だという。つまり、絶対結婚したくないというわけではなく、結婚したいという気持ちもあるが、今はたまたま6対4くらいで結婚したくないという気持ちの方が強いだけ、ということだった。当時、独身生活を謳歌して結婚なんて考えてもいないように見えた「松ちゃん」がそんなことを言っているのを意外に思った覚えがある。

結婚に限らず、他のことでも6対4とか7対3くらいで意思決定することが多いのではないだろうか?家を賃貸するか、購入するか。マンションに住むか、一戸建てに住むか。ベンチャー企業で働くか、大企業で働くか。どちらの派もそれぞれ意見があるだろうが、いずれを選ぶにしても、圧倒的に10対0でどちらかがいいというケースは少ないのではないか?

何かを主張するときに6割賛成で4割反対のようなことを言うと説得力が欠ける。だから多くの場合、10割の立場をとって、賛成か反対かの主張をする。賛成か、反対かの立場を明確にし、両方の意見の人が議論をすると、それぞれの問題点がよりはっきりし、改善点を見つけられることも多い。その意味で、議論のために自分のポジションを明確にするということは悪くない。しかし、実際には、世の中で議論されていることのほとんどについて、絶対的に正しい解は存在しない。誰かが10割の立場をとって、尤もらしいことを言っていて、それに説得力があるように思えても、自分の中ではアナログ的に曖昧にしておいた方がよいのかもしれない。6対4でなくても、せめて8対2程度に考えて、10対0にまでしない方が安全だと思う。

6対4であれば、仮に何らかの理由で自分が今、6じゃない状態であっても、4の状態を楽しむことができる。結婚しているほうが6対4でよいと思っているのに今、結婚していない状態にあるとすれば、結婚していない状態の4を楽しめばいい。すべてのことにはよい部分とよくない部分がある。暑いときには暑いことを楽しみ、寒いときには寒いことを楽しめばいい。どちらかといえば夏が好きな人も、どちらかといえば冬が好きな人も、基本的には6を楽しむか、4を楽しむかの違いで、そこにそれほど大きな違いはない。


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